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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2013/10/17
- 抄訳記事公開日:
- 2013/11/22
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高齢化と健康維持
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)は高齢者の医学的ケアを改善するため、科学者を支援している。2007年以来「高齢者の健康」に関する6つの研究アライアンスを約3,500万ユーロで助成しており、10月17、18の両日ハンブルクにおいて合同会議を開き、これらアライアンスの活動結果、将来の重要課題について議論することになった。BMBFはこれに関して概略以下のような報道発表を行った。
老いてなお健康を維持する。人類はこの目標に既にかなり近づいている。OECD加盟国では1960年以来、平均寿命が約11年伸びている。これは医学研究とケアの大きな進歩によるところ大である。しかし65歳以上の約60%が少なくとも3つの慢性的な疾患を抱えている。
ヴァンカBMBF大臣は「我々は皆、健康で生活の質を保ちながら生きたいと願っている。この助成プロジェクトから得られる知見は、より的確なアドバイスを可能にしたり、健康上のリスクを早期に認識し効果的に予防する助けとなる」と語った。
例えばベルリンの研究アライアンスであるAMA(Autonomy despite multimorbidity in old age)は、高齢かつ多疾病罹患下においても一定の個人的、社会的、制度的な前提が備わっていれば、自立を確保することが可能であることを示している。ハイデルベルクのESTHER-Net(Epidemiological study on opportunities for prevention, early detection and optimized therapy chronic diseases in the elderly population)は、老年性障害に関する予防と看護に関する戦略を研究している。ミュンヘンの研究アライアンスであるKORA-Age(Cooperative Health Research in the Region of Augsburg)は、高齢者にとって社会的な接点を持ち、それを維持することが、快適な生活の決定的要素であることを示している。
ハンブルクの研究アライアンスであるLUCAS(Longitudinal Urban Cohort Ageing Study)は長期の調査を基礎として、適切なカウンセリング、早期発見、健康促進等のための奨励策を案出している。同じハンブルクの研究アライアンスMultiCare(MultiCare Cohort)では、個々の疾病の相互作用を考慮することを中心においている。医療従事者、高齢者自身、介護を担う家族にとって、非常に重要な研究成果を示したものとしていわゆる「Priscus-Studie(ボッフム大学で行われた調査で、高齢者が多剤処方を受けているが、飲み合わせによる副作用の有無などを適切に指導されていない点を明らかにした。)」がある。この調査報告では、高齢者に不適切となりうる薬剤がリストアップされている。
これに関する小冊子「高齢者が服用する薬剤について」はBMBFのホームページからダウンロード可能。(ドイツ語版のみ)
http://www.bmbf.de/pub/priscusbroschuere_medikamente_im_alter.pdf [DW編集局]