[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
フランス技術アカデミー
元記事公開日:
2013/10/29
抄訳記事公開日:
2013/11/29

イノベーションのための原則と7項目の目標

Anne Lauvergeon annonce un second rapport de la commission "Innovation 2030"

本文:

技術アカデミーは2013年10月29日「イノベーション2030」委員会の第2次報告書を公表した。概要は以下のとおり。

多様な顔ぶれの委員で構成されるイノベーション委員会は2013年4月18日大統領により設置された。首相から与えられた任務は、フランスが長期にわたる繁栄と雇用を確保するために、必要とされるイノベーションに基盤を置く堅固な目標を定めることである。政府の目標は持続可能な重要課題に関して、企業規模の大小を問わず企業におけるイノベーションを促すことにある。

イノベーションが政府の意図的施策によって促進されることはあっても、それは個々のイニシアティブによって生まれ、社会の要請に応えるものでもある。国や地方自治体の役割は、イノベーションに好ましい環境の存在を確保することにある。

世界的に競争が激化しているとしても、フランスには堅実な手段の備えはある。多くの国が特定の領域での先駆的地位の獲得を狙って投資戦略を展開している。特定の領域で力を備えるだけでは十分ではない。イノベーションの先頭に立つ必要があり、卓越した手段を示す必要があり、時機に即した能力を発揮する必要があり、国際競争の環境には優秀な人材を投入する必要がある。

それでもなおフランスにはハンディキャップがある。行動すべきときにイノベーションに立ち向かおうとしない組織や文化的環境がある。税制、規制の縛り、停滞した経済的局面、端的にいえば引っ込み思案であることが、イノベーションの推進にそぐわない。この状況は目新しいことではない。フランスは大胆な振る舞いやリスクを負うことを恐れる。

上記のような基盤の上に立って委員会は政府に対して以下の7項目の戦略領域を提示する。

1) エネルギーの貯留
2) 材料のリサイクル: レアメタル
3) 豊富な海洋資源の有効利用: 金属、海水の淡水化
4) 植物性たんぱく質と植物の化学
5) 個別化医療
6) シルバー経済、長寿に役立つイノベーション
7) 大量データ(ビッグデータ)の有効活用

このような戦略的努力には、環境を大きく改革して企業が進化するようにする努力が伴う必要がある。委員会は上記提案の迅速かつ具体的な実施を提言する。

[DW編集局+JSTパリ事務所]