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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ研究振興協会(DFG)
- 元記事公開日:
- 2013/10/30
- 抄訳記事公開日:
- 2013/12/02
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第三者資金、あふれる申請書、第二の資金
- 本文:
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ドイツの科学システムを巡っては様々な意見が交わされている。このほどドイツ研究振興協会(DFG)はインターネットで「第三者資金、あふれる申請書、第二の資金」と題するレポートの発表を行い、これに関して概略以下のような報道発表を行った。
ドイツにおける科学システムの今後の展開を巡る議論が高まっている。その中心にあるのは、大学の研究や授業内容についてと、その資金負担をいかにするか、ということである。特に基礎研究資金の不足は、大学が民間からの資金確保を迫られたり、助成金を奪い合うような状況になっている。これはDFGの業務に著しい影響を及ぼしている。
州による運営費交付金の減少に伴い、DFGは基礎研究資金のファンド機関としての責任が増え、プレッシャーが増大している。助成申請書の数や申請される資金の額は、助成予算の増加よりも速い速度で増加し、これに反比例するように認可の割合は低下することになる。なかには科学的に価値のある申請すらも却下される場合がある。
DFGはこうした状況について以前から、内部の審議委員会レベル、または学界や政界と、時には公の場で議論を重ね、状況の打開を試みている。
発表されたレポートには以下の2つの論点が含まれる。 一つは、研究資金の現状と今後の展開がDFGに及ぼす影響について、もう一方は、科学システムの将来とDFGの役割についてである。併せて、背景についてや、正確な数字、科学政策的資料、さらには学界からの意見をまとめている。
この発表の中心となっているのは、まずDFGの48専門委員会のスポークスマン会議の記録である。この専門委員会はDFGの評価・決定プロセスにおいて中心的役割を果たしており、このため直接な影響を受けているからである。これについては例えば、詳細な会議報告書「将来展望の重大な変換」にも明らかな通りである。
ドイツ科学システムの今後の展開とDFGの役割に関する現今の議論については、特に「将来の展望に関する文書」に記録されている。これはDFGの役員会、幹部会によって作成されたもので、現在DFGの各委員会で議論されている。また7月初めにベルリンで開かれたDFG年次総会においても、将来に関する議論は大きなテーマの一つであった。
DFGは新しいレポート発表と共に、科学的なコミュニティとの対話もさらに強化していく意向である。なおこのレポートは、引き続き報告や資料が追加され、今後の展開や論議の経過を反映する予定である。
[DW編集局]