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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
- 元記事公開日:
- 2013/11/08
- 抄訳記事公開日:
- 2013/11/29
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昆虫が家畜の生産を助ける?
- 本文:
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欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2013年11月8日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===動物用飼料の代替的なタンパク源として昆虫を使用することが、世界的な関心を集め始めている。たが現在EUの法律では、魚や甲殻類用の飼料を除き、動物用飼料に昆虫由来のタンパク質を含めることは禁止されている。
食糧の安全保障をめぐっては、より持続可能なタンパク源を見出す必要性が強調されている。動物用飼料に使用できる優れた代替タンパク源としての昆虫に対する認識度は高まりつつある。栄養価の高い種も多く、さらに昆虫の生産は、家畜用飼料の従来のタンパク源と比べても環境への影響が少ない。
昆虫はまた、様々な有機性廃棄物を利用して短期間で上手に飼育することができるため、生産過程で発生する廃棄物の量を最大で60%まで削減することができる。残された廃棄物も、肥料として再利用できる。昆虫は、野菜くずや家庭ごみ、肥料などを飼育培地(substrate)として経済的に育てることができる。飼育培地の安全な利用に関する法令についての検討も今後必要となろう。
PROTEINSECT(動物用飼料およびヒトの栄養のための持続可能なタンパク源としての昆虫の利用可能性、の意)は、EUの現行法令の改革を進めるため、英国食糧環境研究庁(FERA)が、中国、アフリカおよび欧州本土のパートナーとともに立ち上げた研究プロジェクトである。
このプロジェクトでは、飼料のタンパク源として昆虫の使用を増やした場合の効率と安全性が検討されている。豚や家禽類はもともと餌の一部として昆虫を捕食しているため、これらの家畜の飼料に関しては、昆虫のタンパク質の使用が最終的に認められることが期待されている。
[JSTパリ事務所]