[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2013/12/03
抄訳記事公開日:
2013/12/17

PISA 2012: ドイツの学校教育は合格点

PISA 2012: Schulische Bildung in Deutschland besser und gerechter

本文:

このほどPISA2012(OECD生徒学習到達度調査)の結果が出たが、これに関してドイツ連邦教育研究省(BMBF)は概略以下のような報道発表を行った。

ドイツはPISA2012の数学、自然科学、読解力で良好な成績を収め、全ての科目でOECDの平均を上回った。第一回のPISA調査以降、継続して成績向上を示している数少ない国の一つである。

州政府文部大臣会議ドルゲロー議長(ザクセン‐アンハルト州文部大臣)とヴァンカBMBF大臣はPISA2012の結果について、「過去最高の成績を収め、ドイツはトップグループの一歩手前まで来ている。社会階層と成績の良し悪しの関連性が薄れていることや、移民の子弟が良好な成績を収めていることは特に喜ばしい。連邦と州の多様な努力が報われている。特に熱意ある教職員の活動に深く感謝するものである」と発言した。

例えば、数学の成績は514点で、OECD平均494点を大きく上回った。PISA2003以降向上が続いており、特に成績の低い生徒の割合は21.6%から17.7%へと減少(OECD平均は23%)した。

今回の調査の結果、以下の点が明らかになった。
ドイツの成績が国際的に見ても向上しているのは、これまでの施策が有効だった証左である。そして、今後も一貫してこの方針を継続していかなければならない。引き続き教育の質と公平性が主目標であり、特に社会的不均衡を是正することは、これからも重要な課題である。成績の低い生徒の割合は確かに減少しているが、このグループに対する措置は今後も進めていく必要がある。全体の成績が向上したとはいえ、好成績グループの増加率はそれほどでもない。従って、成績の良い生徒に対する個別措置も講じていかなければならない。また読解力や数学における男女間格差を減少する努力も続けていく必要がある。

加えてドルゲロー議長とヴァンカBMBF大臣は、「早期児童教育と全日制教育の整備拡張、教育標準(PISA2000の成績が非常に悪かったため導入された全国統一の標準)導入の効果がはっきりと出ている。今後も、全生徒に対する教育の機会向上への努力を怠らず、成績の低い生徒を支援し、同時にまた成績の良い生徒にもしっかりとした対策を講じていかなければならない」としている。

[DW編集局]