[本文]
-
- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立宇宙研究センター(CNES)
- 元記事公開日:
- 2013/11/27
- 抄訳記事公開日:
- 2014/01/07
-
福島地方の河川中汚染粒子の移動: 「TOFU」プログラムの第1次結果
- 本文:
-
国立科学研究センター(CNRS)の2013年11月27日標記報道発表の概要は以下のとおり。
気候・環境科学研究室(LSCE-CEA/CNRS/UNSQ)の研究者らは日本の筑波大学のチームとの協働研究により、「TOFU」プログラムの一環として福島県で実施された最初の4回の測定活動の結果を発表した。2011年3月の事故から6ヶ月後に開始された本プログラムでは、事故後の日々において放射能汚染の主要拡散部分の影響を受けた区域に位置する河川中における、放射能汚染粒子の移動の調査を目的とする。これらの調査結果は問題にしている移動のメカニズム、とりわけ台風、ダム、植物の役割の解明に役立つ。
国立研究機構(ANR)と科学技術振興機構(JST)による日仏プロジェクト公募「Flash」の一環で開始されたこの日仏調査は、2011年3月福島県に発生した汚染拡散域にある各河川の全域で、吸い込んだ放射能により汚染された堆積物の移動について調べている。約3000平方キロメートルに及ぶ本調査では、このような放射能汚染物質の拡散進展状況の現状調査を時間的にも空間的にも初めて網羅的に実施する。
最初の4回の測定活動の結果から、地域の汚染の再拡散に台風が大きく影響しているという仮説の確認が可能になった。実際この現象は土壌の浸食を加速し、浸食された粒子の河川中への流出を招いている。また放射能がかなり着地したと言われる内陸山系では、2011年夏の一連の台風襲来後に激しい浸食が認められた。20ヶ月で高所では放射能レベルの低下が、下流の区域では汚染の再拡散が認められた。2011年の台風の後、2012年の測定では汚染レベルの全般的減少が認められている。2013年5月の測定活動では河川におけるこのような汚染レベル低下が予想以上に速いことを確認した。2012年は2011年より台風の来襲の機会が少なかったことによると考えられる。しかしながらこのような汚染レベル低下は平野部より山岳地域においてより顕著である。
[DW編集局+JSTパリ事務所]