[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立宇宙研究センター(CNES)
元記事公開日:
2014/01/17
抄訳記事公開日:
2014/02/20

中国における汚染ピークの赤外線衛星による初の追跡調査

Premier suivi des pics de pollution en Chine par satellite infrarouge

本文:

国立科学研究センター(CNRS)の2014年1月17日標記報道発表の概要は以下のとおり。

地上での人間活動に由来する複数の汚染物質(微粒子や一酸化炭素など)の混合体が中国上空で宇宙から初めて検出された。この調査は大気・環境・宇宙観測研究室(CNRS/UPMC/UVSQ)のチームがベルギーの研究者らと協働で、国立宇宙研究センター(CNES)の支援を受けて実施したもので、「MetOp」衛星に搭載して打ち上げられた赤外線測定装置「IASI」による測定を基にしている。その初めての成果が2014年1月17日「Geophysical Research Letters」誌のサイト上で公開された。

中国は、局所的地域的な汚染を追跡するため大気の質を監視するネットワークを所有し、PMやCO、SO2などの重要汚染物質の測定を継続して行っている。しかしながら測定拠点の地理的分布は散発的で、そのことが汚染事態の展開予測を困難にしている。そのような状況下では地理的な網羅性に優れているなどの理由により、衛星による観測が非常に重要であることは明らかである。ところがこの測定法には高度3~10kmの間で他の影響を受けやすいという弱点があり、地上近くの大気の組成を、衛星を使って判定するのはこれまで煩雑であった。

「IASI」測定装置では次の2つの要因が揃えば地上近くであっても汚染物質混合体の検出が可能であることを研究者らは証明した。
・気象条件が安定していること
・地上と地表面近くの大気との温度差が大きいこと

[DW編集局+JSTパリ事務所]