[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2014/01/16
抄訳記事公開日:
2014/02/25

2014年歳出におけるR&D費:エネルギー省

R&D in the FY 2014 Omnibus: Department of Energy

本文:

1月16日、米国科学振興協会(AAAS)はエネルギー省(DOE)の2014年度歳出展望を発表した。予算要求額が低めに設定されていたため、DOEの要求はほぼ通っており、特に大統領の推進する低炭素社会実現に向けての技術開発研究は大統領要求レベルに達する。その他は2012年度予算の名目額を超える見込み。AAASの予測では、DOEのR&Dは118億ドルとなり、強制削減基準よりも20.4%増。また2012年度より9.3%(不変ドル比5.3%)増となった。

強制削減基準と同額に抑え、DOEのエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の再生可能エネルギーとエネルギー効率に関する変換R&Dを大幅に削減すべきという下院議会案よりも、上院議会の提案に近い結果となった。科学局は大統領の要求額に近い予算を得ることができたのに比べ、国家核安全保障局(NNSA)や他のエネルギー技術に関するプログラムは混合的な結果となった。ポイントは下記の通り。

• 科学局の中では先端コンピューター技術、核融合エネルギー、核物理学などに予算増加の兆しがあり、インフレ調整後も2012年度に比較すると増額された。高エネルギー物理学の予算割当額も大統領の要求を上回った。核融合エネルギー科学の中ではITER国際熱核融合実験炉に対する米国の貢献を削減し、大統領の要求に対して2500万ドル下回る結果となった。これは国内への投資を優先させるため。エネルギーフロンティア研究センターの予算は1億ドル、上院の要求額に等しく、下院と大統領の要求の中間となった。科学局の予算はインフレ調整後も概ね12年度と同等になる。
• エネルギー効率・再生可能エネルギー局(EERE)とARPA-Eは大統領の要求とは程遠い結果となったものの、下院での削減要求から比較すると、好ましい結果となった。最終的には上院の要求に近い額となり、EEREの中ではバイオエネルギー及び先進製造に対して手厚い配分となった。
• 核エネルギーと化石エネルギーに対する予算は両院並びにホワイトハウスが提案したものを上回る結果となった。核エネルギーでの増額は小規模モジュラー技術供与支援や燃料サイクルなど、具体的なR&Dプログラムが対象となり、化石エネルギーやより一般的なプログラムが選ばれた。
• NNSAは下院要求額に近いものとなり、大統領の要求には不足していたが、2012年度よりは増額となった。中でも拡散防止に関する全体的な支出は削減される中、拡散防止R&Dは増額される。

DOEのR&Dは、全体合意の中でいくつか苦戦するプログラムもあるものの、全体としてはインフレ調整後も過去最高に近い額となる。

[DW編集局]