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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2014/01/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/02/26
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2014年歳出におけるR&D費:国立衛生研究所
R&D in the FY 2014 Omnibus: The National Institutes of Health
- 本文:
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1月17日、米国科学振興協会(AAAS)は国立衛生研究所(NIH)の2014年度歳出予算を発表した。直近の2014年度オムニバス歳出法案によると、NIHはR&Dに対して293億ドルの予算を確保したと予測される。名目ドルでは大統領の要求に対して3.8%低く、2013年度の強制削減後からは3.5%高い中間値に落ち着いた。2012年度に比べると2.2%減額となる。インフレを考慮すると、2004年度と比較して15%減となった。
ポイントは下記の通り。
全体的に、ほとんどの研究機関が2013年度に比べて微増(平均的に3%)だが、いくつかの例外を除き、2012年度予算よりは減額となった。
• 国立先進トランスレーショナル科学センター(NCATS)予算は増加を続け、2013年度比16.8%増、2012年度比10.3%増となる。これらはいくつかの一般的なプログラム(Drug Repurposing, BrIDGs, や Molecular Librariesなど)並びにClinical and Translational Science Awardsの中核事業をNCATSに移管したため。Cures Acceleration Networkのための予算は2012年度と同じレベルの1000万ドルまで回復されるが、大統領の要求していた5000万ドルは下回る形となった。
• 国立老化研究所(NIA)も予算増加の恩恵を授かった。2013年度比12.6%、2012年度比4.5%増。ホワイトハウスの優先事項であり、議会としても優先させたいアルツハイマーの研究などに資金が充てられる。
• 2014年度の予算では2013年に比べてNIHが支援できるプロジェクト数が385件増える。強制削減により、過去最低だった640件、採択率(応募に対して実際に資金を与えた割合)16.8%から改善した。
• NIH外の団体と連携して行うイニシアティブに対する共通ファンド(Common Fund)は2013年度比3.4%増の5億3300万ドル。
• NIHの予算があまり行渡らない州に対して出されるInstitutional Development Awards (IDeA) プログラムは2億7300万ドル、強制削減前まで回復した。
• 現在進行中の国家子ども研究(National Children’s Study)は強制削減前のレベルであり、大統領の要求と同額の1億6500万ドル。
• 議案は大統領の進めているブレイン・イニシアティブにおけるNIHの研究を支援しており、国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)や国立精神衛生研究所(NIMH)に対して多めの予算を分配する予定。
• NIHは昨年秋、中断された科学教育活動を再開する。 [DW編集局]