[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ヘルムホルツ協会(HGF)
元記事公開日:
2014/02/13
抄訳記事公開日:
2014/03/07

新しい遺伝型アルツハイマーの発生を解明

Entstehung für neue Form von erblichem Alzheimer entschlüsselt und neuen Schutzmechanismus entdeckt

本文:

ヘルムホルツ協会ドイツ研究センターは、協会メンバー機関であるマックス・デルブリュック分子医学研究センターが「大阪大学と共同で新しい遺伝型のアルツハイマー疾患の発生プロセスを解明、新しい防護メカニズム」を発見した、との概略以下のような報道発表を紹介。

マックス・デルブリュック分子医学研究センターは大阪大学と協力し、新しい遺伝型のアルツハイマー疾患を解明した。同時に、Caglayan博士、Willnow教授と高木教授(大阪大学)は認知症のリスクを軽減する、新しいメカニズムを発見。これでアルツハイマー病の遺伝による4つの形態が認められることになった。これらの形態は非常に稀なものであるが、非常に悪性で、60歳以前に発症する可能性がある。

世界的に推定3,500万人がアルツハイマー病の患者がおり、代表的な症状として機能障害、神経細胞の壊死等が生ずる。これにより記憶力低下、認知症に繋がる。アルツハイマー病の症例のうち、遺伝的なものはごく少数で、Willow教授によると約0,5% -1%である。しかし、この遺伝的な症例は科学的に非常に重要である。いわゆる突然発症するアルツハイマーの症例に関係している可能性も否定できない。大部分のケースでは、突発的な発症の原因物質は未知であり、研究者は遺伝的要因やそれを引き起こす環境影響を探している段階である。

Willow教授の研究部グループは数年前、健康な神経細胞にA-betaというアルツハイマー病の発生プロセスの主要因となる物質を減少させる防護ファクターが形成されることを発見した。マウスの実験で、この防護ファクターであるSORLA(Sorting protein-related receptor)の損失がA-betaの形成に繋がるということをつきとめた。これと同じ現象が、アルツハイマー患者の脳でも発生するのを確認した。数人の患者では、防護ファクターのSORLAの形成がなく、これによって有害なA-betaが発生し、脳に沈着した。

[DW編集局]