[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立研究機構(ANR)
- 元記事公開日:
- 2014/02/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/04/08
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バイオがもたらす健康・環境への効果: 「BioNutrinet」はこの問題の解明にインターネット利用者を活用
- 本文:
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国立研究機構(ANR)の2014年2月17日標記報道記事の概要は以下のとおり。
自然農法作物は誰が何のために消費するのか。そのような消費が健康や環境に与える効果はどうなのか。このような疑問に応えるための調査研究「BioNutrinet」がこのほど開始された。これまでに例のない規模の調査研究である「BioNutrinet」は、「持続可能な食料系プログラム(ALID 2011-2013)」の一環としてANRによる資金支援を受けている。
食料の健康に対する影響、つまりそれが有益か有害かははっきりしている。健康によくて安全な食料、その上流側で水やエネルギーの消費量が少なく環境への配慮も十分である持続可能な食料系の生産こそが、社会の強い関心事項となっている。したがって自然農法作物に対する消費者の需要は一定して伸びており、年間生産量で10%を超える上昇である。この結果自然農法に由来する食料生産はここ数年確実に伸びており、EU諸国では農地面積の3~20%に、米国では農地面積の0.6%に達している。
しかしながら自然農法作物消費の動機に関連するデータ、消費者の特性、このような消費が個人(健康状態)や環境上の意図に及ぼす効果はまだよく分かっていない。
上記の状況下で調査研究「BioNutrinet」がこのほど開始された。この調査研究は作業に当たる人員の数と用いられる方式において世界初となる。4年間に100,000名の有志インターネット利用者(50,000名は自然農法作物消費者、残り50,000名はそうでない者)が要請を受けて、自分の食料消費の状況および自分の健康状態に関するデータを定期的に提供する。一方有志者300名を部分サンプルとして生物学的分析の対象とする。これは各人の栄養状態・毒性状態を明らかにしてそれぞれの食料摂取方式の影響を確認するためである。
本調査研究を効果的に実施するため、国立農学研究所(INRA)、国立保健医学研究所(INSERM)、国立工芸院(CNAM)、パリ第13大学、グルノーブル大学病院センター、有機農業技術研究所(ITAB)等の研究チームの協力により、広範囲の専門家集団(疫学、栄養学、生物学、経済学、農学)が結成された。調査研究「NutriNet-santé」の特定側面である本調査研究は、2013年次の「持続可能な食料系プログラム(ALID 2011-2013)」の一環として、ANRによる約700,000ユーロの資金支援の対象となっている。
なお独特の先駆的プロジェクトである調査研究「NutriNet-santé」は、インターネットを媒介として食料摂取行動や栄養と健康の関係を調査することが目的で、5年間に500,000名のインターネット利用者を追跡する。専ら教育機関や公的機関参加者の資金的取り組みに基盤を置いている。保健省(DGS)、公衆衛生監視研究所(InVS)、国立保健予防・教育研究所(INPES)およびINSERM、INRA、CNAM、パリ第13大学などである。また医学研究財団(FRM)、がん研究協会(ARC)、心臓・血管財団(FCA)、イル・ド・フランス地方(CORDDIM)などの財団からの支援も受けている。
[DW編集局+JSTパリ事務所]