[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2014/02/28
抄訳記事公開日:
2014/04/16

ライブショー: 仮想俳優の試作品を開発

Spectacle vivant : un prototype d’acteur virtuel en développement

本文:

国立研究機構(ANR)の2014年2月28日標記報道発表の概要は以下のとおり。

ANRが資金支援する「INGREDIBLE」プロジェクトでは、芝居「嵐の前に」に登場する自立型の仮想俳優の試作品を開発している。研究者とアーティストとの協働作業により、新技術をライブショーに取り込む見事な例を実現している。

2012年次の「ディジタルコンテンツと相互作用」プログラムの一環として資金支援を受けている「INGREDIBLE」プロジェクトの目的は、人間と仮想俳優との間の相互対話の領域で様々な科学イノベーションを提示することにある。本プロジェクトの参加者は、人の身振りをリアルタイムに解析して感情による身体の動きを人と連動させる能力を有する自立型仮想俳優の試作品を開発する。本プロジェクトが特に重視するのは、相互対話の状況において感情の身体での表現の開発であり、人の身振りと連動した動きの工夫である。実際、人と人との相互対話では、ある俳優の各身振りまたは身振りのバリエーションが別の俳優の身振りを変え、その逆もある。対話者の感情状態により、主体と模倣で構成される身振りによる対話が、調整により一体化する現象が生じる。この一体化こそが、本プロジェクトが現実/仮想空間で再現しようとしているものである。

本プロジェクトで開発された技術を基盤として、シェークスピアの「嵐」からヒントを得た「嵐の前に」と称する寸劇がDérézo社によって上演された。次のショーはこれから2年後になるが、そのときはシェークスピアの「嵐」を演ずることになる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]