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- 国・地域名:
- アイルランド
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- アイルランド科学財団(SFI)
- 元記事公開日:
- 2014/03/03
- 抄訳記事公開日:
- 2014/03/26
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分子スイッチが神経系を調整する方法を解明
TRINITY GENETICISTS SHOW HOW MOLECULAR SWITCHES COORDINATE THE NERVOUS SYSTEM
- 本文:
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アイルランド科学財団(SFI)の2014年3月3日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
===神経系の「リバース・エンジニアリング」に関心を持つトリニティ・カレッジ(ダブリン大学)の遺伝子学者が、(神経系の)失われた結合や破損した結合の修復に大きな影響を与える重要な発見を成し遂げた。元々は何の変哲もない細胞を、何十億という種類の独自の働きを持つ神経細胞に特殊化(分化)させる分子スイッチと同じスイッチが、これらの神経細胞を環境に応じて多様に対応させる役割をも担っていることが明らかにされたのである。
遺伝子学者は、「転写因子」と呼ばれるこれらの分子スイッチが特定の細胞(cellular label)に働きかけ、複雑な神経束を形成する過程を解明しつつある。これらの神経束は、脳が遭遇する膨大な量の情報に対し、我々が適切に反応し、対応できるようにする役割を果たしている。神経細胞を正確にプログラムする方法が解明できれば、重度の傷害や、アルツハイマー病、パーキンソン病といった変性疾患の発症によって失われたり破損したりした結合の修復にも役立つはずである。
[JSTパリ事務所]