[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2014/04/03
抄訳記事公開日:
2014/05/09

拒食症研究

Erfolgreiche Forschung zur Magersucht

本文:

連邦教育研究省(BMBF)が助成する2つの拒食症に関する臨床研究が良好な結果を生んだ。これに関して同省は概略以下のような報道発表を行った。

拒食症は精神疾患の一つで、非常に危険かつ深刻な結果を伴う。罹患者の5人に1人が栄養失調で死亡している。拒食症は、若年女性にとって喘息、肥満症に次ぐ第3の慢性疾患である。このため摂食障害の治療に関する新しい方法が緊急に必要とされている。BMBFは拒食症に関する2つの臨床研究を助成しており、このほど良好な結果が得られた。ヴァンカ大臣は「この傑出した研究成果によって患者の苦しみを和らげることができるようになる」と語った。

特定の療法が長期的に拒食症の女性の健康を明らかに改善することを、初めて科学的に証明することができた。チュービンゲン大学チプフェル教授とハイデルベルク大学ヘルツォーク教授の研究グループは、3つの心療治療法を相互比較した。その内の一つがまだ比較的新しい「焦点化精神力動的精神療法(focal psychodynamic therapy)」であり、総合的にこれまでの標準的治療よりも明らかに良好な結果をもたらした。

一方アーヘンのヘアペルツ・ダールマン教授のチームは、標準的な療法の代替法を研究した。その結果、拒食症患者は完全入院による処置を必要とせず、患者は通院で治療プログラムに参加する形でも同等の効果が得られることが明らかになった。これは患者にとっては負担が少なくなり、同時にコスト的にも有用である。

この2つの研究調査の結果は、有名な医学専門誌「The Lancet」に発表された。ドイツ全国の病院のネットワークが8年にわたり、この摂食障害研究に協力してきた。臨床研究ネットワーク(EDNET-Eating Disorders Diagnostic and Treatment Network)は神経性過食症など他の疾病も研究した。これはBMBFが2006年から2014年まで合計3,000万ユーロで助成した「心理療法研究アライアンス」の一部である。

[DW編集局]