[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国立研究機構(ANR)
- 元記事公開日:
- 2014/04/16
- 抄訳記事公開日:
- 2014/05/22
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食事が健康に及ぼす影響: ANRが栄養・健康バイオマーカーに関する欧州公募を開始
- 本文:
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国立研究機構(ANR)の2014年4月16日標記報道発表の概要は以下のとおり。
共同プログラムイニシアティブ(JPI)「ヘルシーライフのためのヘルシーダイエット(HDHL)」参画の一環として、ANRは栄養・健康バイオマーカーの領域で初めての欧州プロジェクト公募を開始した。特定の個人の食事、その個人の栄養状態のほか、現在または過去の特定の化学物質への曝露歴を捉えることができれば、このような指標が食事の健康に及ぼす影響の研究に大きく寄与する。
がん、肥満症、心臓血管系疾患などの一部の疾患の増大や予防において食事が果たす役割は、今日では科学的に明らかになっている。このような疾患の予防や人々の健康状態の改善には、このような病気に食事が関与するメカニズム、人々の食習慣や生活様式のほか、提供される食事の性質を徹底的に知ることが必要である。
JPIは社会的課題を取り上げて研究プログラムを統括的に実施するEU加盟国間の協力方式である。したがって「JPI HDHL」は食事が健康に及ぼす影響に関する研究を統括し、欧州研究圏において食事が関係する疾病の予防法に関する実用研究の形成に明確な貢献をすることになる。
[影響・曝露バイオマーカーに特化した国際公募]
ビタミン、ミネラル、金属のほか添加物や残留農薬など、食事には健康に有益または逆に有害な役割を持つ可能性のある非常に多くの物質が含まれている。したがって住民によるこれらの物質の食事による摂取や曝露が、住民に対する調査(食習慣のアンケート調査)や食物中の化学物質存在量の解析を通じて、追跡調査の対象となる。
曝露バイオマーカーは特定物資に特有の生物学的指標であり、一般的には採取物(血液、尿、唾液等)の分析により追跡可能である。個人ごとの測定により、問題となる物質に対してその個人が現在または過去に受けた曝露が明らかになる。
影響バイオマーカーの場合は、人体全体に対する有害物質の影響を取り込むことが可能である。このマーカーの開発は、食事が健康に及ぼす影響の調査に大きく役立ち、これまでのアンケートによる食事調査よりもより客観的な測定方法を提供することになる。本公募には、ドイツ、オーストリア、ベルギー、デンマーク、スペイン、フランス、アイルランド、イタリア、ノルウェー、オランダ、ポーランド、スイスの欧州12カ国が関与する。ANRの資金支援は採択されたプロジェクトのフランスからの参加機関のみが対象となる。
[DW編集局+JSTパリ事務所]