[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国政府科学庁
元記事公開日:
2014/05/13
抄訳記事公開日:
2014/05/26

植物学: 地球規模の課題への取組、英国の成長を後押し

Growing our future: plant science to address global challenges and boost UK growth 

本文:

2014年5月2日、マーク・ウォルポート(Sir Mark Walport)政府主席科学顧問は、ノーリッジ・リサーチ・パークにある植物学・微生物学研究所(JIC)他を訪れ、地球規模の農作物病害からの農作物の保護及びより持続可能な食料栽培に関する先端技術研究を視察した。

自然界の多様な植物はイノベーションの重要な資源である。たとえば野草の中には、黄さび病と呼ばれる菌類による病気に対する抵抗力を有するものがある。黄さび病は全世界の小麦生産地域で最大40%もの収穫率低下の原因となっている。防かび剤を用いて小麦を守ることは、費用がかかり、環境上のダメージも大きい。そこでJICの科学者らは、インドやアフリカ出身の研究者と共同で、地域の状況に合わせた抵抗力のある小麦の新種開発に自然の多様性を活用しようとしている。

ウォルポート顧問は、ゲノム編集など植物の新しい品種改良技術を見学した。そこでの植物への変化は自然界で起こる変化と同じくらい小さく、外部のDNAを持ち込むようなことはない。 同顧問の発言は次のとおり。

・英国は、遺伝子組み換えを含むあらゆる形態の農業技術をリードする立場にあり、この分野での投資及び研究を奨励する必要がある。

・遺伝子組み換えが使用するのに妥当な技術かどうかを判断する場合は、適切な目的のために適切な植物の適切な遺伝子を選択することを具体的に説明できなければならない。

・農作物の遺伝子組み換えに関しては人類には長い歴史がある。現代のパン用小麦はその好例で、管理や監視の全くなされない状況下で品種改良による遺伝子組み換えが行われた。現在は、科学者による遺伝子組み換えは細心の注意を払って管理され、遺伝子・場所・作物の選択が許されている。

[DW編集局]