[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ノルトライン=ヴェストファーレン州 イノべーション・科学・研究・技術省
元記事公開日:
2014/04/30
抄訳記事公開日:
2014/05/28

肺がんの新しい治療法

Neue Therapie für Lungenkrebspatienten

本文:

2011年からノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州が助成したケルン大学病院における研究プロジェクトと「ゲノム医療ネットワーク」構築により、研究から臨床現場へのイノベーション移転が有効かつ円滑に行われている。これに関してNRW州イノベーション科学研究省は概略下記のような報道発表を行った。

ケルン大学病院の「ゲノム医療ネットワーク」構築と実施されている複数の研究プロジェクトで、イノベーション移転が有効かつ円滑に行われた。個別化診断や治療の効果による肺がん患者の余命延長がこれを証明している。法定健康保険会社AOKは、疾病保険としてドイツで始めて臨床検査費用を負担することになった。

遺伝子解析に基づく個別化治療は、特にここ数年肺がん治療の改善、患者の余命延長に繋がっている。ケルン大学病院総合オンコロジーセンター(CIO)では、2009年から新しい診断法と治療法に関して集中的に研究を行ってきた。患者の腫瘍組織の遺伝子解析によって、どのような遺伝子レベルの変化が腫瘍の発生や成長に繋がったのかを特定できる。それによって、より効果の高い投薬治療を受け、多くの患者がこれまでの在来の治療法に比べて余命が明らかに延びたとされている。

NRW州イノベーション科学研究省は、ケルン大学病院の研究プラットフォーム構築を支援し、合計3,500万ユーロを投入。同省シュルツェ大臣は科学的な研究結果を臨床に活かしたその迅速さを強調した上で、「がん患者のために、さらに二つのことを願っている。多くの病院が一緒に力を合わせること、そして他の健康保険会社もこの臨床検査費用を負担するようになることだ」と語った。

[DW編集局]