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- 国・地域名:
- ロシア
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- ロシア連邦政府
- 元記事公開日:
- 2014/05/13
- 抄訳記事公開日:
- 2014/06/05
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国際宇宙協力に関する副首相および連邦宇宙局長官の会談
- 本文:
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2014年5月13日付連邦政府ウェブサイトは、ドミートリ・ロゴジン(Dmitry Rogozin)副首相とオレグ・オスタペンコ(Oleg Ostapenko)連邦宇宙局長官との会談に関するプレスリリースを発表した。概要は以下のとおり。
ロゴジン副首相は会談の冒頭において、ロケット・宇宙産業及び(衛星)測位等の宇宙サービスにおける国際協力において幾つか問題があり、これら問題は主としてロシアに制裁を科している米国の政策と関連している旨指摘した。同副首相は問題として次の3項目を挙げている。
・11のGPS受信施設がロシア領土内の10地域で展開されているにもかかわらず、GLONASSインフラ施設の米国領土内での配置が拒否されている。
・ロシア製(搭載型)ロケットの打ち上げに必要な宇宙機器をロシア国内に供給しないようにする措置がとられている。EU製も含むこれら宇宙機器が米国の電子部品を搭載しているというのがその理由である。この措置は、ロシアの宇宙ロケット・メーカーに経済的な打撃を与えるものである。
・1990年代半ば以降長年に亘り、ロシアは露米政府間決定にしたがって国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げに使用されるロケットエンジンを米国に供給してきた。NK-33エンジンは1970年代初頭に開発されたものであるが、フェイルセーフ機能を持ち信頼性も高かった。RD-180エンジンは、米国も参加したロケットの打ち上げに使用されたエンジンである。ロシアのロケットエンジン産業は生産ラインの刷新や新開発の実施のために必要な資金を受けているが、少なくともRD-180エンジンに関してはその購入が打ち切られる可能性が高いとの情報が最近入手された。これに対するオスタペンコ宇宙局長官の発言は次のとおり。
宇宙協力の主要な分野として、ISS、RD-180及びNK-33エンジンの供給、宇宙機器(ロケット)の打ち上げ業務、GPS/GLONASSプロジェクト、長期研究プログラムの5つがある。このうちISSについては、いかなる変更も行わないという当初からの合意があり、制裁の影響を受けない(とし、それ以外の4分野については、今後の状況如何で事態が改善される見通しについて言及した)。
ロゴジン副首相はISSの今後について、 「米国はISSのオペレーション期限を2024年まで延長したいと言っているが、連邦宇宙局やロシア科学アカデミー等の国内の関連諸機関は、2020年以降のロシア宇宙飛行プログラムの次なる展開とリンクした新しい長期戦略提案の準備をしている。ロシアのISS使用予定は2020年までである」と述べている。
[DW編集局]