[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国宇宙庁
元記事公開日:
2015/05/19
抄訳記事公開日:
2014/06/06

「CryoSat」衛星が南極氷床崩壊の急激な拡大を観測 

CryoSat finds sharp increase in Antarctica’s ice losses

本文:

英国宇宙庁の2014年5月19日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

欧州の「CryoSat」衛星による3年にわたる観測から、南極氷床で毎年1,590億トンの氷が消失していることが明らかになった。これは前回観測時の2倍に当たる。

極地の氷床は地球の海面上昇に大きな影響を与え、今回新たに観測された南極での消失だけでも海面を毎年0.45ミリメートル上昇させるのに十分である。

英国極地観測モデリングセンターの科学者チームによる直近の上記発見は、西南極アムンゼン海海域での氷河薄層化が大きく影響してこの不均衡化傾向が続いていることを示している。2010~2013年の間、西南極、東南極、南極半島でそれぞれ、1,340億トン、30億トン、230億トンの氷が毎年消失した。

2010年に打ち上げられた「CryoSat」は氷の表面高度の変動を精密に測定できるレーダー高度計を備えており、科学者はこれまでにない精度でその体積変化を記録することができる。「CryoSat」は南極点から215キロメートル以内の南極大陸ほぼ全域(96%)の観測を行っており、さらに現在氷の消失が集中している沿岸地域にもその観測範囲を広げている。

この発見は「Geophysical Research Letters」に掲載された。

[DW編集局]