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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 科技日報
- 元記事公開日:
- 2014/04/21
- 抄訳記事公開日:
- 2014/06/11
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中国人研究者、免疫細胞の分化・発生メカニズム研究で重要な成果を取得
- 本文:
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科技日報は2014年4月21日付で、中国人研究者曹雪涛氏らが免疫細胞の分化・発生と機能制御に関する研究において、ヒトの樹状細胞に選択的に発現する新しい長鎖ノンコードRNA(lncRNA)を発見し、その成果を最新出版の「サイエンス」誌で発表したと報じた。本記事でその概要をまとめる。
世界医学界とバイオテクノロジー分野でも高く重視される樹状細胞の分化発生と機能制御に関する基礎研究において、中国医学科学院院長を務める曹雪涛院士(中国工程院士)が率いるチームは、国家自然科学基金(NSFC)と973計画(所管:科学技術部)より支援を受けて、上述の研究を実施している。曹院士らは研究の中で、遺伝子チップと高度な配列分析技術を導入して、lncRNAがヒトの末梢血単核細胞(PBMC)で未成熟樹状細胞と成熟した樹状細胞に分化する過程における発現譜図を分析した際に、ヒトの樹状細胞に選択的に発現する新しいlncRNA(同チームは、これを樹状細胞長鎖ノンコードRNA(lnc-DC)と命名した)を初めて発見した。曹院士らは更に、このlnc-DCは、シグナル伝達を担うたんぱく質と結合し、そしてそのリン酸化を制御することによって、ヒト樹状細胞による免疫応答を促進する能力があることを明らかにした。
この成果は、免疫細胞の分化発生メカニズムに対する理解促進及び抗癌、抗感染症ワクチンの研究開発に貢献出来る等と期待されている。
[JST北京事務所]