[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国科学振興協会(AAAS)
元記事公開日:
2014/05/16
抄訳記事公開日:
2014/06/24

自家製造技術の登場で、専門家はセキュリティ・リスクを懸念 

As Do-It-Yourself Manufacturing Emerges, Experts Consider Security Risks

本文:

米国科学振興協会(AAAS)の5月16日標記記事では、3Dプリンターがより安価でより高性能になってきて、おもちゃからエンジン部品や義手に到るまであらゆるものの作製に使用されようとしており、それは自家製造技術の新たな時代の幕開けでもあるが、一方で誰でも製品デザイナーになれるという点でテロリストも例外ではないと述べている。5月2日に行われたAAAS科学技術政策フォーラムでの専門家の議論をまとめた記事の概要は以下のとおり。

この付加的製造方法では、原材料を切ったり穴を開けたりする従来の「減法的」方法に比べて材料の使用量が少ない。しかも各アイテムはコストをかけて一新しなくてもカスタムデザインが可能である。

しかしながら、この安価で変形可能な製造技術には今後の期待が大きいと同時に、不正利用がなされる可能性があるという問題が生じている。すでに自家製拳銃用の追跡しがたい部品などの製造目的で3Dプリンターが使用されることについて多くの議論がある。3Dプリンターはロケットや航空機の部品製造のため航空宇宙産業で使用されるだろうが、危険なデザイナーがテロリストが使用するロケットや武器弾薬等を3Dプリンティングを使って製造することは十分考えられる。明らかに武器と分かるものに限らず、いわゆるテロリストや凶悪犯は爆発物、毒物、その他の有害物質を隠す目的で、この自家製造技術を使用しておとりの入れ物としてのありふれた形状の物体を作ることもできる。

新技術・新材料の多くが善悪両面で使用される可能性があることは間違いない。致命的な攻撃を加える目的で新技術を不正使用する可能性のある者には、ならず者国家のほかテロリスト、破壊工作員、凶悪犯、内部不満分子などの非国家行動主体がいる。個人への攻撃を超えたところでの重要な関心事は、国家の基盤や機構(株式市場、送電網、配水管網、その他の公共施設)にサイバー攻撃等の手段で組織的な損害を生じさせる目的で、技術が使用されることである。

3Dプリンティングのほかに不正利用が懸念される技術には、磁気ナノ粒子、合成生物学、組織工学(再生医療)、小型無人機、メタマテリアル、ハイテクセンサーなど多数がある。

「新技術の潜在的な用途および不正利用の可能性を早期に知ることが重要で、政府にも産業界にも研究開発サイクルを完全に把握する仕組みを造る必要がある」と専門家は指摘する。

[DW編集局]