[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)
元記事公開日:
2014/03/31
抄訳記事公開日:
2014/06/25

食品偽装への対処を目的としたEUのプロジェクトを主導

UK at forefront of EUR 12m EU food fraud project

本文:

欧州共同体研究開発情報サービス(CORDIS)の2014年3月31日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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欧州の食品の質を維持することは消費者と産業界の双方を保護するために不可欠であり、消費者はすべての食品の真正性を信頼できるようでなければならない。だがこのどちらも、偽装された食品により絶えず脅威にさらされている。

先ごろインターポール(国際刑事警察機構)の捜査で、ウォッカとバスマティ米をはじめとする偽装食品が押収されたことから、食品偽装の問題が注目を集めることとなった。このような偽装は、消費者を欺き、偽装犯がEUの食品の付加価値を利用し、農業食品経済の競争力を損なうことで、食品産業が被害を受けるといった経済的な問題を引き起こすだけではない。偽装された食品が消費者に販売されることで、食の安全性に関しても深刻な影響が及ぶ可能性がある。

EUが助成するFOODINTEGRITYプロジェクトは、食品偽装の問題に真っ向から取り組むことを目的としている。FP7から1,200万ユーロの資金的支援がなされるこの5年間にわたるイニシアティブを先頭に立って指揮するのは、英国の食品環境研究庁(FERA)である。食品偽装から消費者と産業界を守るため、このプロジェクトには、世界中から主要な利害関係者と科学分野の専門家が集結している。FERAは食品の真正性に関して20年を超える経験を有しており、この分野での研究の最先端に位置している。

食品偽装には様々な種類があるが、そのうちの主な2つが、害を及ぼす可能性のある不適切な食品を販売することと、食品ラベルの意図的な虚偽告知である。食品偽装にはまた、盗まれたり不法に食肉処理された動物、あるいは鹿のように密猟された可能性のある野生狩猟動物の肉の販売が絡むこともある。FOODINTEGRITYプロジェクトはEUレベルで、特に馬肉偽装問題後の多くの肉問題に関連した数々の問題に対処することになっている。

本プロジェクトには、各国の産業界、学界および政府機関から38の国際パートナーが参加している。プロジェクトでは、食品偽装の試験方法を一貫性のあるものにして欧州全域における食品関連法の執行を改善すること、および産業界、規制当局、消費者の代表による自立型の国際的なネットワークを確立して、プロジェクトの成果を確実に引き継ぐことを始めとするいくつかの主要目標の達成を目指して作業が進められるな。
さらに、欧州での大規模な偽装問題に対して、中国人消費者の受け止め方を評価するために、中国で調査が実施される予定である。

[JSTパリ事務所]