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国・地域名:
フィンランド
元記事の言語:
英語
公開機関:
フィンランド国立技術研究センター(VTT)
元記事公開日:
2014/03/20
抄訳記事公開日:
2014/06/25

寒冷気候下でも、藻類によるバイオ燃料・生物化学物質の生産が可能に

Algae may be a potential source of biofuels and biochemicals even in cool climate

本文:

フィンランド国立技術研究センター (VTT)の2014年3月20日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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バイオ・エコノミー(生物経済)への移行過程において、数々のかたちで有用となる有機体が藻類である。寒冷な気候のフィンランドであっても、産業から排出される二酸化炭素の回収のほか、生物化学物質やバイオ燃料の生産に藻類を利用することができる。VTT(フィンランド国立技術研究センター)がコーディネーターを務めるALGIDAプロジェクトでは、フィランドにおける藻類の生育状況が調査された。

エネルギー生産を目的とした藻類の養殖は、まだ利益を生むに至っていない。特に冬期の日照が少ない寒冷地での養殖は容易ではない。木材や農産物に由来するバイオマスと比べると、生産コストは高い。だがALGIDAプロジェクトの調査結果によれば、採算の取れる藻類の養殖の確立はフィンランドでも可能だという。

藻類の成分は、バイオ燃料の生産だけでなく、顔料や化粧品の成分、ヒドロゲルの生産にも適している。また、栄養補助食品、特にオメガ3の生産にも藻類が用いられている。また、藻類に由来するバイオマスは、生物肥料にも利用できる。

「フィンランドで最も実用に適しているのは、放熱(spill heat)を伴う産業プロセスに藻類の養殖を組み込み、バイオ燃料と生物化学化合物の生産および廃水からの栄養物質除去の(技術)開発に力を入れるということである。藻類はまた、廃棄物や廃水から栄養物質や有機不純物、重金属を回収する際にも利用できる」と、プロジェクト・マネージャーを務めるMona Arnold 首席研究員(VTT)は話している。

[JSTパリ事務所]