[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2014/06/05
抄訳記事公開日:
2014/06/26

タンポポからタイヤを作る

Autoreifen aus Löwenzahn

本文:

ベルリンにおいて「バイオエコノミー会議」が行われた。これに関して連邦教育研究(BMBF)省は概略以下のような報道発表を行った。

牛乳から衣類、タンポポから自動車用タイヤ、バイオ樹脂からドライヤー、自然の繊維から自動車の部品等、バイオ製品が既に多彩なものとなってきている。バイオエコノミー会議で併催される「日常のバイオエコノミー」展では、再生可能な植物原料やバイオ製品の具体例40件以上を紹介している。また、純粋なバイオ衣類のファッションショー“Milk &Sugar“もプログラムに含まれている。

再生可能な植物原料とバイオベースのプロセスに関する数多くの研究開発活動は、「バイオエコノミー研究戦略2030」の枠組みの中で2010年から連邦政府が支援している。ヴァンカBMBF大臣は同会議に当たり「この研究戦略によって、多くの製品を再生可能な資源から製造することができることを示した」と述べ、「バイオエコノミーは我々にとって重要である。今後、既に始まっている持続的経済への方向転換を加速し、幅広く根付かせることが肝要である」と続けた。専門家は、市場に任せるだけでなく、政治が持続性への方向付けを積極的に支援し、社会的に支えなければならない、という意見で一致した。これこそ、2013年に連邦政府によって決定された「バイオエコノミー国家政策戦略」の目標でもある。

学界、経済界、行政など各方面の代表者約500人が、ドイツのバイオ経済の当面の重要課題と将来の展望について議論した。BMBFは「バイオ経済指針」を決め、イノベーションを推進するための重点設定を発表した。バイオ経済を多角的に考察するため、さまざまな力を結集することや、学界、経済界、社会との参加型の対話を制度化すること、イノベーションを生み出す組織づくりの基本的条件の改善を図ること、専門的人材教育を経済界のニーズ変化に対応させるなどが盛り込まれている。同省の「バイオ産業技術イノベーション・イニシャティブ」により、「知識ベースのプロセス・インテリジェンス」アライアンスに参加する大学や企業に900万ユーロの助成金が支給される。

[DW編集局]