[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
運輸省
元記事公開日:
2014/06/13
抄訳記事公開日:
2014/07/02

インテリジェント・モビリティへの期待 

The promise of intelligent mobility

本文:

英国政府の2014年6月13日付標記報道記事によると、6月12日、ロバート・グッドウィル(Robert Goodwill)運輸政務次官が輸送ネットワークにおけるインテリジェント・モビリティの有効活用等に関する講演を行ったところ、概要は以下のとおり。

2012年までに英国全体の道路輸送量は1949年の10倍を超え、鉄道は第一次世界大戦後のどの時期よりも多くの乗客を運んでいる。結果として混雑が増大している。

19世紀のロンドンの道路交通渋滞は地下鉄建設の契機となった。我々は現在、インフラの拡張・改善に1,000億ポンドの投資をしようとしており、「Crossrail」や「High Speed 2」を建設する予定である。しかし19世紀と違って現在はもっと広範囲にやるべきことがある。我々が保有する輸送ネットワークをより効率的に利用することである。そうすることで、将来の需要増に備えて必要となる能力を蓄えることができる。

21世紀の輸送ネットワークで使用される最も重要な資源はデータである。乗り物、インフラ、乗客を繋ぐスマートネットワークには将来性があり、すでにいくつか実例を見ることができる。衝突(防止)センサーは多くの人が車を駐車する際にぶつけたり掠ったりするのを防いでいるし、現在はまさに自動運転車に護られる時代になっている。

英国道路庁では「Smart Motorways」を整備することで旅の信頼性を高めようとしており、スマートフォンのアプリでは地理位置情報や輸送に関するオープンデータを活用してロンドンの様々な輸送手段間のシームレスな移動を支援している。

ソーシャル・マッピングを活用したナビゲーションの向上により、世界的に毎年移動時間で10億時間強、燃料にして35億リットルの節約になる。既存ネットワークのインテリジェント・モビリティをより効率的に活用することにより、交通渋滞を最大30%解消し、車の速度を25%向上させ、燃料消費を10%削減し、CO2の排出も10%程度削減することが可能である。

[輸送システム・カタパルト]

インテリジェント・モビリティにより英国の輸送ネットワークの改善は可能であるが、同時に我々は英国の輸送産業が開発の最先端に立つことを期待する。予想される今後の世界市場の規模は巨大で、2025年には約9,000億ポンドと言われている。輸送システム・カタパルト(輸送システム技術・イノベーションセンター)に1,700万ポンドの投資をするのはそのためである。

[DW編集局]