欧州委員会は、2014年6月12日に標題のプレスリリースを発表した。以下に概要をまとめる。
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欧州委員会とヨーロッパ投資銀行グループ（欧州投資銀行（EIB）と欧州投資基金（EIF））は、本日、イノベーションを担う組織がより簡単に資金調達できるよう支援するために、新世代型のEU金融商品と顧問サービスを開始する。今後7年間に渡って、”InnovFin~イノベーターのためのEU資金提供”商品により、様々な企業や研究基盤の促進者による研究イノベーション（R&I）事業に240億ユーロ以上の資金を供給することができる。この資金供給は、最終的に最大480億ユーロのR&I投資を支援する見込みだ。

InnovFinは、様々な種類の目的に応じた商品で構成される予定で、企業向けに顧問サービスと同時に直接融資を実施する金融仲介業者へ保証を与えたり、EU及びHorizon 2020連携国で実施される大小さまざまなR&Iプロジェクトを支援することなど様々である。InnovFinは、EUの研究・技術開発のための第７次枠組み計画の下で開発された“リスク共有金融機能”(Risk-Sharing Finance Facility)の成功の上に構築されており、これは114のR&Iプロジェクトに113億ユーロもの資金を供給し、14億ユーロを超える額に相当する融資保証を提供した。

欧州委員会・研究イノベーション科学担当委員のGeoghegan-Quinn氏は、以下のようにコメントしている。「金融商品は成長促進企業や活動に投資する革新的な方法を提供します。EUは、イノベーションに対する企業投資という点では、グローバルな競争相手に遅れをとっています。よって、我々はこれらの事業にお金を貸すよう銀行に働きかけ、研究指向の企業が資金にアクセスできるよう手助けしなければなりません。こうすることは、私たちは2020年までにGDPにおけるR&D投資比率を3%に引き上げるというEU目標に到達する一助になるでしょう。」

InnovFin保証及び融資は、Horizon 2020の下に設置されたファンドとR&I活動支援の目的のEIBグループにより支援される。R&I活動はもともと伝統的な投資に比べリスクが高く困難であると査定される。すべては、需要主導型商品であり、セクター・国・地域の事前配分は設定されていない。これらの債務商品は、近い将来、EIFによって運営される一連の持分金融商品によって補完される見込みだ。

＜InnovFinの商品概要＞
● ”InnovFin Large Projects”(InnovFin大規模プロジェクト)：
・ 大規模組織（大学や公的研究機関等）によるR&Iプロジェクト向けに、リスクファイナンスを提供する。
・ 加盟国及び連携国に位置する（以下に続く商品も同様）企業・組織を対象とする。
・ 2,500万ユーロ〜３億ユーロの融資がEIBから直接提供される。
● ”InnovFin MidCap Growth Finance” (InnovFin中型株成融資)：
・ シニア及び劣後ローンまたは保証（メザニン及び準株式を含む）を提供する。
・ 革新的な中型株企業（従業員数3,000名まで）、中小企業、小型株企業を対象とする。
・ 750万ユーロ〜2,500万ユーロの融資がEIBから直接提供される。
● ”InnovFin MidCap Guarantee” (InnovFin中型株保証)：
・ 5,000万ユーロまでの債券金融の保証及び再保証を提供する。
・革新的な中型株企業（従業員数3,000名まで）を対象とする。
・EIBの保証をもとに、銀行等の金融仲介機関を通じて実施される。
● ”InnovFin SME Guarantee” (InnovFin中小企業保証)：
・ 2万5,000ユーロ〜750万ユーロまでの債券金融の保証及び再保証を提供する。
・革新的な中小企業及び小型株企業（従業員数499名まで）を対象とする。
・ EIFの保証をもとに、銀行等の金融仲介機関を通じて実施される。
● ”InnovFin Advisory” (InnovFin顧問サービス)：
・ 多額の長期投資の必要な大規模プロジェクトの投資回収性・投資受入態勢を改善することを目的として顧問サービスを提供する。リスクファイナンスを受けるための条件を改善する助言も提供する。
・ Horizon 2020に掲げる「社会的課題」を解決する大規模R&Iプロジェクトの実施者を対象とする。

[DW編集局]