[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2014/06/05
抄訳記事公開日:
2014/07/04

北極圏の効率的かつ安全な開発に関する会議 

Meeting on the efficient and safe development of the Arctic

本文:

ロシア大統領府の2014年6月5日付標記報道によると、北極圏沿海地域に関するプロジェクト実施に当たり、科学的支援と環境保全に焦点を置いた「北極圏の効率的かつ安全な開発に関する会議」がロシア地理学会の本部で開催され、プーチン大統領により会議冒頭での趣旨説明及び会議終了時の総括が行われた。本会議には、北極圏の調査に関連した業務に携わっている政府省庁代表、この地域で産業インフラのプロジェクトを実施しようとしている業界関係者のほか、ロシアの主要な環境専門家(生態学者、研究者)が出席した。大統領の発言概要は以下のとおり。

[プーチン大統領による趣旨説明]

北極圏の自然が外からの影響に極めて脆弱であることはよく知られている。それゆえ、そこで仕事をする人々の責任、とくに作業の規模や多面性という観点から見た場合の責任がいかに大きいかということは明らかである。

今後数十年間のロシア北極圏開発計画には、北極圏沿岸・沿海での炭化水素資源開発及び産業施設や輸送経路の新設に関する多数の大型投資プロジェクトが含まれる。とくに北海航路の復活は重要である。

したがって現在、ロシア北極圏は、産業、社会、経済、インフラの再生に向けた新たな段階に入ろうとしており、自然保護に焦点を当てることが特に重要である。この地域の経済開発に取り込むにあたっては、慎重に立案された客観的なアプローチを維持しなければならない。このアプローチが基づくのは、第1に、北極圏の資源や自然のポテンシャルの正確な把握、一定の措置の実現可能性に関する公正な評価である。我々はこの北部の開発に独自の科学技術能力を展開する必要がある。第2に、いかなる厳格な環境基準にも従わなければならないという点である。自然保護は絶対的な優先条件である。第3に、北極圏における我々の活動は完璧な透明性を保つべきであり、そのために市民組織や自然保護・環境団体との定常的な対話が行われる点である。

同時に我々は、環境面での努力を含む国際協力の展開にも賛成である。ロシアはその約3分の1が極北に位置しており、北極圏の安定的な環境保護には特別の責任を感じている。「2020年までのロシア北極圏社会・経済開発に関する国家プログラム」の策定作業に先立って、もう一つの戦略、すなわち「環境保護に関する戦略行動計画」を採択したのは、上記理由による。

[討議結果に対する大統領のコメント]

北極圏開発について多くの議論があった。残念ながら多くの憶測、それに挑発とさえ言えるものもあった。しかしながら我々は皆、人類が北極圏で仕事をする必要があることを理解している。この地域の開発は避けられない。これを理解した上で、我々は間違いを犯してはならない。このような事業に最大限の責任を持って取り組み、環境に配慮する必要がある。この事業はプロフェッショナルに進められるべきであり、解決すべき問題の議論は時宜を得て行われなければならない。したがって本事業は最新の技術を活用して、可能な限り高いレベルで実行される。

[DW編集局]