[本文]

国・地域名:
スイス
元記事の言語:
英語
公開機関:
スイス国立科学財団(SNSF)
元記事公開日:
2014/05/28
抄訳記事公開日:
2014/07/08

オープン・アクセスに関するSNSFの方針を、連邦参事会(Federal Council)が支持

Interpellation concerning Open Access: the Federal Council backs the SNSF's policy

本文:

スイス国立科学財団(SNSF)の2014年5月28日付のニュースで、標記の記事が掲載されている。以下にその概要をまとめる。
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特に人文科学の研究者は、自らの研究成果の発表手段として書籍を好む。これまでスイス国立科学財団(SNSF)は、専ら印刷費に補助金を支給することで科学書の発表を支援してきた。その目的は、販売価格を引き下げることで人文科学の研究にアクセスしやすくすることである。将来的には、SNSFは、書籍の製作費(植字、レイアウト、校正、デジタル化)に対しても実質的な貢献をしていく方針である。ただし、こうした支援は、著者が初版発行日から24か月以内に、その書籍のデジタル版を無料で利用できるようにすることが条件となる。これにより、オープン・アクセスおよび人文科学の研究の全世界への普及が促される。

これらのコストを研究助成金に統合すれば、問題は大幅に単純化される。研究者も、別個にこうした資金供与を申請する必要がなくなり、彼らの原稿が追加的な評価手順を経る必要もない。企画段階でSNSFが科学的な質が高いと判断したプロジェクトが優れた成果を残すことは、経験でも示されている。このような統合型の助成金のために書籍原稿を評価するという要件を免除することで、SNSFは大きな信頼を築くことになり、これによる恩恵を特に受けるのは人文科学である。

[JSTパリ事務所]