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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 国民教育・高等教育・研究省(MENESR)
- 元記事公開日:
- 2014/06/19
- 抄訳記事公開日:
- 2014/07/14
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医療に関する国家戦略、フィオラゾ大臣が講演
- 本文:
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国民教育・高等教育・研究省の2014年6月19日標記報道では、フィオラゾ高等教育・研究担当大臣の標記に関する講演内容を伝えている。医療における研究の役割について述べた部分の概要は以下のとおり。
まず最初に医療における研究の位置づけに言及する。研究の範囲は予防、診療、社会医療における個別介護、新たな治療法など医療の全領域にわたる。また医療行為の進化、医療制度とその機能、資金に関する研究も関係がある。大学の多数の学科が関係し、精密科学とりわけ医学は明らかであるが、人文科学も関与する。
これらの学科はすべて全体で協力して研究にあたる必要がある。研究、特に医療に関する研究はばらばらであってはならない。基礎研究から臨床研究、一次医療に関する研究や治療への適用に至るまで常時対話が必要である。
ここ数年の研究によって実用面に変革をもたらす発展が可能になった。将来に目を向けて、我々は個別化医療、ロボット技術や医療情報の活用、さらには新たな治療法や診断ツールの開発にナノ技術やバイオ技術の導入といった飛躍の準備をしている。
医療はまた研究界から産業界への知識移転でもあり、それが経済発展や雇用創出の推進力になる。米国では今日バイオ経済が国内総生産の15%以上を占めている。
医療が国家研究戦略の10項目の社会的課題の1つになっているのは上記のような理由による。昨年12月に設置された研究戦略会議には医療および生命の科学に関する高度研究の発展・維持に向けた作業を課している。
このような目標に対応するには資金の確保が必要になる。大統領はすでに研究の聖域化の取り組みを発表している。また我々は中・長期的により安定した研究施策を可能にする長期または複数年にわたる資金支援という方法で、フランスにおいてもEUレベルでも資金運用の簡素化の努力をしている。
その他、研究の継続性維持の必要性における具体的施策として、学術研究界と民間部門との協力など重要な課題が集結するところでのトランスレーショナル臨床研究のほか、学際的研究も、欧州および国際的枠組におけるフランスの競争力に不可欠である。
政府はまた流れを円滑にする努力をしており、特に病院との協定を唯一にすることで臨床試験開始の遅れを50%短縮する。
上記は医療に関する国家戦略の重点的側面であるが、政府の生物医学研究の方針にも、生命・保健科学研究連盟(AVIESAN)に委託しているプログラム策定や方針策定という戦略的役割にも関わるものである。
[DW編集局+JSTパリ事務所]