[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/06/29
抄訳記事公開日:
2014/07/17

中国の「脳科学計画」がまもなく始動

我国“脑科学计划”即将启动

本文:

2014年06月29日付の「中国科学報」ネット版は、中国の「脳科学計画」がまもなく始動すると報じた。本記事ではその概要をまとめる。
6月28日、中国、米国、欧州等の科学者が上海科学普及大講壇に出席し、大衆に対して「脳科学計画」を紹介した。科学者によると、脳科学の研究を進めることは、人類の健康水準を向上させるほか、関連産業の発展、経済成長を促すことにもなるとのこと。
中国科学院の外国籍院士、中国科学院上海神経科学研究所所長、中国科学院脳科学卓越革新センターのMu-ming Poo主任は、「国内の専門家は基本的には、資源を集中し、優勢分野の研究成果で、切迫した社会需要を解決することに合意した。脳疾患の予防法・治療法の発展、特に神経発達障害、精神疾患、神経変性疾患の予防と早期介入が重要である」と表明した。
2013年4月、米国のオバマ大統領は「脳のヒトゲノム計画」(BAM:Brain Activity Map)を提唱した。その前に、欧州は2013年4月、「ヒューマン・ブレイン・プロジェクト」(HBP:Human Brain Project)をスタートした。2014年4月、日本も脳計画を始動した。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のOlaf教授によると、ヒューマン・ブレイン・プロジェクトは医学、神経科学以外、コンピューター技術の開発も展開する予定であるという。
Olaf教授は、「脳信号の伝達メカニズムを解明できれば、脳の情報処理メカニズムを模擬するコンピューターの開発も可能になる」と語った。専門家は、「『脳計画』は『ヒトゲノム』計画より何百倍も難しく、国際協力が必要とされている。米国、欧州の脳計画は相補性を有し、協力の基盤を持っている」と提示し、脳計画における中国と欧米の協力を呼びかけている。

[JST北京事務所]