2014年06月10日付の「中国科学報」ネット版は、中国科学院が科学技術戦略諮問研究院を設立することを決定したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。
中国科学院第17回院士大会が発表した情報によると、中国科学院は科学技術戦略諮問研究院を設立することを決定した。高水準の技術シンクタンクを作り、国の科学技術計画・政策などの面で重要な影響力を発揮することが目的である。
新たに設立される同研究院は学部（*）を主導とし、研究所・学部・教育機関を一体化させた中国科学院の独特の優位性を発揮することで、学部諮問・戦略研究作業を効果的に支える研究・管理プラットフォームを構築する。政策決定に協力し、中国の経済・社会の発展の重大問題に先見性のある建設的な提案を行い、中国科学院を国家一流の、世界でも有名な科技シンクタンクにする。

*　中国科学院学部は1955年に成立し、中国科学技術分野の最高諮問機関である。学部の責任は中国の科学技術の発展企画、計画及び重大な科学技術政策決定にコンサルティングを提供し、中国の経済建設及び社会発展における重大な科学技術問題に研究報告を提出することである。中国科学院は全国から最も優秀な科学者を院士（アカデミー会員）に選出し、全体院士大会は最高権力機構で、学部主席団は全体院士大会の常設機構である。中国科学院の院長は学部主席団の執行主席であり、数学物理学部、化学部、生命科学・医学学部、地学部、情報技術科学部及び技術科学部という6つの学部が設置されている。

[JST北京事務所]