[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
自然環境研究会議(NERC)
元記事公開日:
2014/06/25
抄訳記事公開日:
2014/07/24

自然環境研究会議(NERC)2013-2014年次報告

Annual Report & Accounts 2013-2014

本文:

2014年6月25日、自然環境研究会議(NERC)が年次報告書(2013-2014年)を公表したところ、主要部分からその概要を以下に要約する。

2013年11月に発表されたNERCの新戦略「環境のビジネス」は、卓越した(excellent)科学に資金支援する取り組みを強化しており、このような科学のおかげで英国は環境管理に責任を持ってイノベーション・成長を実現できる。同戦略は、世界におけるNERCの役割に1965年のNERC創立以来となる大きな変化をもたらした。

NERCの役割には、我々とは無関係に起こる自然のプロセスを観察・学習する科学を支援するだけではなく、我々自身の地球への影響力を理解することも必要とされる。つまり、我々が目指すのは、責任ある地球管理の中核に環境科学を位置づけることである。

[革新的戦略研究モデル]

我々の戦略研究は3つの課題に重点を置いている。社会が天然資源から受ける恩恵の増加、環境災害に対するレジリエンス(回復力)の構築、環境変動の管理の3つである。これら課題には研究コミュニティ全体で対応する必要がある。この目的に沿って、環境研究者、研究の利用サイド、ファンディングの提携先が重点とする研究領域、テーマ、協力関係を特定して作業できるように、戦略的研究ファンディング・モデルの再検討が行われた。戦略研究の新たな重点課題に対するファンディングの決定は次の3つのルートを通じて行われる。共同戦略対応、戦略プログラム領域、注目度の高いテーマである。どの経路を使用するのかは、研究課題の性格、規模、複雑さ、協力の可能性、適時性などを考慮して決められる。

[世界クラスの研究基盤への投資]

「王立調査船ディスカバリー号」が7,500万ポンドのプロジェクトの最終段階を迎え、時期的にも予算的にも世界で最も先進的な調査船となった。本プロジェクトはまた、NERCが世界最先端の専門能力を有する次世代海洋科学を先取りしたものでもある。

NERCは、2013年は環境科学全体を通じて研究・イノベーションを支える新技術への大規模な投資を行った。その中には2015年に完成予定でサウスハンプトンの国立海洋学センター(NOC)に建設される「自治体イノベーション・ハブ」がある。また、研究用および商用の海洋ロボットの開発には290万ポンドを投入した。

英国には優れた空中大気研究の長い歴史がある。NERCの戦略にとって航空機の重要度はますます高まっており、この度、ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)からの950万ポンドのファンディングにより航空機を購入した。それにより空中大気測定設備の能力向上のほか、必要時にはいつでも使用できる環境を確保することができる。

また2013~2014年には、ビッグデータにおける英国の(活用)能力の強化を図る24件のプロジェクトに460万ポンドが投資された。

[戦略的ファンディング、世界トップレベルの科学]

最も効率的な方法で卓越した(excellent)科学に継続的な資金支援が行われるよう、我々は組織とプロセスの見直しに取り組んでいる。その一環として、NERCの4つの研究センター(BGS、CEH、NOC、NCAS)に独立した地位が与えられた。これにより、NERCは資金提供者としての役割により効果的に集中でき、一方柔軟性を与えられた各研究センターは、この機会を最大限活用する必要がある。

[DW編集局]