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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 全米科学アカデミー(NAS)
- 元記事公開日:
- 2014/06/30
- 抄訳記事公開日:
- 2014/07/31
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NRC報告書:国防総省は科学技術の世界規模でのモニタリングとてこ入れが必要
- 本文:
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全米科学アカデミー(NAS)の2014年6月30日標記記事の概要は以下のとおり。
全米研究会議(NRC)の報告書『グローバル科学技術における戦略的関与:国防研究の機会』は、「科学技術において世界的な競争優位を維持するため、国防総省(DOD)は、世界規模の科学技術展望に関する認識を向上させ連携の機会を特定すべく、実行可能な戦略を展開する必要がある。DODはまた、国際会議出席目的のDOD職員の出張制限など現存する(世界規模の取り組みに対する)バリアーを低くする必要がある。諸外国で起こっている進歩に対してDODがモニタリングもてこ入れもしなければ、技術競争力を失うことで米国の経済、国家安全保障にとって深刻な結果を招くリスクがある」と指摘し、さらに以下のように述べている。
同報告書によると、米国は現在世界の研究開発支出の3分の1弱を占めているが、2050年までには18%に落ち込むと予想されている。この数字は、米国が今後はすべての研究分野で優位を維持することはないと言う認識と合わせて、DODの技術的な主導性がその能力に依存していることを示している。世界の科学技術界が発する関連研究の進展を特定しててこ入れする能力である。
DODとその陸・海・空の3軍省は世界中の科学技術の情報収集・連携を代行する機構を備1えているが、十分に統括されておらず、系統的に有効性を確認できるような成果は得られていない。
陸・海・空軍は現地での取り組みやネットワークの構築に独自の機会を提供する科学技術現地事務所を諸外国に配置している。しかしこの機会を最大限活用するには、現地事務所がその科学者、技術者、政策決定者のネットワークを通して収集した情報をDODが中継する必要がある。在外現地事務所とそれに対応する米国内の研究部署との間の連携は一貫性がなく弱体であると思われる。またDODの研究活動の広範にわたる技術調査や国際的取り組みを通じて集められた知識の共有手続きが欠如している。
NRCの「科学技術のグローバリゼーションに関する委員会」はグローバルな現状認識を維持する最善唯一の方法を特定しているわけではないが、一連の方式を統合する必要があると考えている。データの分析、新出科学文献の購読から国際的な科学会議の主催・参加、そして共同研究プロジェクトのファンディングに至るまで、DODはその活動の全領域にわたって追跡する必要がある。
[DW編集局]