[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
中国科学報
元記事公開日:
2014/07/08
抄訳記事公開日:
2014/08/08

中国人科学者、悪性マラリアの制御分子を発見

科学家发现控制凶险型疟疾关键分子

本文:

2014年07月08日付の「中国科学報」ネット版は、中国人科学者が悪性マラリアの制御分子を発見したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。

このほど、上海にある同済大学附属東方医院トランスレーショナル医療研究センター、同済大学医学院伝染病ワクチン研究所の張青鋒博士チームは、フランス・パスツール研究所のArtur Scherf教授と協力し、悪性マラリアの制御因子「PfRNase II」を初めて発見した。この発見は悪性マラリアに新しい治療ターゲットを提供するもので、当該成果は『ネイチャー』誌に掲載された。

多くの研究によると、悪性マラリア原虫のvar遺伝子は、悪性マラリアの発症に関わる鍵遺伝子であるとのこと。張青鋒博士チームは現代のバイオテクノロジーを利用し、varの発現制御メカニズムを研究していた。研究結果によって、PfRNase IIとvarの転写レベルでの制御関係が明らかにされたという。PfRNase IIは悪性マラリアの新たな治療標的分子として有望であることが示された。

張青鋒博士は、「同研究は新規抗マラリア剤の研究開発及びワクチンの開発に役立ち、臨床試験でマラリアの罹患率と死亡率を低下させることが期待される。また、基礎研究から臨床試験への移転によい例をあげた」と表明した。

[JST北京事務所]