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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2014/07/17
- 抄訳記事公開日:
- 2014/08/20
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中国が独自開発した心臓手術システム、世界的な難題を解消
- 本文:
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2014年07月17日付の「中国科学報」ネット版は、中国が独自開発した心臓手術システムが世界的な難題を解消したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。
7月16日、中国医学科学院阜外心血管病医院が明らかにしたところによると、中国医学科学院院長、中国工学院院士(アカデミー会員)の胡盛寿氏、中国医学科学院外科管理委員会主任の王巍氏が率いるチームは、中国が独自に開発した弁植え込み術を採用し、高齢かつ危険性の高い心臓病患者2人に「経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)」を施術した。同手術は開胸術を施すことなく、心停止も伴わず、これまで治療が不可能であった患者を完治した。
大動脈弁狭窄症と閉鎖不全症は中高年者に多くみられる心臓病である。ひどい時には、心不全を起こすこともある。胡盛寿氏によると、症状を起こした患者の平均余命は2~3年で、即死のリスクも高い。伝統的な弁置換手術は侵襲が大きく、出血が多く、患者が多臓器不全に陥る可能性が高い。中国では少なくとも、30%~50%の危険性の高い心臓病患者が治療を諦める。
王巍氏は、「今回は2人の患者に経カテーテル大動脈弁植え込み術を施し、左前胸部を3-5cm切り開き、心臓の先端部分に穴を開け、細長いチューブを通し、新しい生体弁を移植した。手術は1時間で終わり、出血量も100ml未満であった。術後の患者はすぐに目を覚まし、呼吸器を外すことができ、2-5日後には歩行も可能となった。今回の手術では、中国が独自に開発したJ•ValveTM術を採用することによって、大動脈弁閉鎖不全には施術できないという世界的な難題を解消した。また、大きいサイズの人工弁が細い動脈を通れないという問題を解決したことも、アジア人にとって非常に大切である(一般的には、アジア人は欧米人に比べて血管が細い)」と説明した。
胡盛寿氏は、ハイテク製品の国産化を推進することによって、医療費の半減が期待されると表明した。
[JST北京事務所]