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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 米国科学振興協会(AAAS)
- 元記事公開日:
- 2014/07/21
- 抄訳記事公開日:
- 2014/09/01
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国防基礎研究費の大幅増、上院予算委での審議結果
Big Boost for Defense Basic Research in Senate Appropriations
- 本文:
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米国科学振興協会(AAAS)の2014年7月21日標記報道の概要は以下のとおり。
先週上院予算委員会を通過した2015年度国防費予算案は、同予算案の下院版と一部類似点がある。両予算案とも大統領の予算要求に対して国防総省(DOD)の科学技術支出を増やすとしている。いずれの予算案もDARPAに対しては政府が期待するほど寛容ではない。またいずれの予算案も国防総省の研究開発全般では大きな変更を施してはいない。AAASの分析では、下院の予算案ではDODの研究開発費を前年比で0.1%増やしているが、上院の予算案では研究開発費を0.9%カットしている。
しかし違いもいくつかはっきりしており、最も大きな違いは上院予算委員会がDODの基礎研究費を要求に対して12.8%、前年比で5%増やすよう勧告していることである。下院の予算案ではこの要求に対しては僅か0.5%増、つまり前年比では6.4%の削減としている。
上記の通りDODの基礎研究ファンディングは、上院予算案では2014年度に比べて108百万ドル増の230億ドルという大幅増になる。それに比べてDODが提示し下院が勧告したのは2014年度比で1億ドル以上の基礎研究費の削減である。大統領の要求を超えた上院での増はかなり広範囲にわたり、各軍省の基礎研究予算の同一比率での増加が見られるほか、大学のイニシアティブや国防研究科学プログラム全般に見られる。
上院予算委員会はまた応用研究プログラムに関して、下院案に対して7300万ドルを積み増ししているが、結果的には両予算案とも2014年度に比べればファンディングの削減になる。上院予算委員会は特に材料科学、高性能計算など陸軍のいくつかの応用研究イニシアティブに積み増ししているが、DARPAの一部科目はカットされている。空軍の推進機構研究もかなり増えている。
上院予算委員会はまた医療研究に関して、国防保健プログラムを介して下院予算案に147百万ドルを積み増ししている。上院予算案においてはそれでも、医療研究ファンディングは2014年度より7.5%の減となる。ちなみに下院予算案ではこの削減は17%になる。
[DW編集局]