国立研究機構(ANR)は2014年8月1日、2013年の活動報告を発表した。その中から特に実績を示す数字などを抜粋要約して以下に記す。

2013年はANRにとって、研究担当省が推進する数多くの変革に満ち溢れた転換の年であった。内部に留まらず研究界向けにも手続き全体の見直しを行った。その結果、2014年行動計画の策定は、資金支援の方式をより分かりやすくし、研究者に対してはプロジェクトの提案をしやすくする方針の下に行われた。2014年次以降今後は、基本的なプロジェクトは「包括的プロジェクト」公募の下にまとめられ、2期に分けた応募手続きに対応する。

[2013年の予算・人員等]

・研究プロジェクト助成に充てられた予算: 432.5百万ユーロ
・スタッフ数: 279名、フルタイム換算では245名
・ANRが採択したプロジェクトに対する支援額の平均変動幅: 318～888千ユーロ
・2005年2月のANR創設以降の助成プロジェクト数: 12,000件以上
・現在進行中のプロジェクト数: 4,850件

[2013年のプロジェクト選考に関する数字]

テーマ別プログラム策定に基づいて実施されるプロジェクト公募としては最終版にあたる2013年次の枠組においては、1068件のプロジェクトが採択され、採択率は16.5%であった。ANRに割り当てられる予算額の減少により2012年(20%)に比べて減退した。2013年は採択プロジェクトの17%が、外国の機関との共同ファンディングによる国際プロジェクトであった。

・プロジェクト公募による助成の受益機関別に見た助成額の割合
公共部門全体で86.1%であるが、その中で国立科学研究センター(CNRS)が31.4%、国立保健医学研究所(INSERM)が8.6%、国立農学研究所(INRA)が4.7%、原子力・代替エネルギー庁(CEA)が4.1%などである。民間部門全体では13.9%で、その中で中小を含む企業が9.4%である。

・プロジェクト公募による助成額の分野別割合(括弧内はプロジェクト当たり平均助成額:千ユーロ)

探査的創発的研究(R2E) 48%(318)
プロセス・エンジニアリングおよびセキュリティ(IPS) 11%(601)
生物学・医療(BS) 12%(392)
情報・通信科学技術(STIC) 10%(700)
持続可能エネルギー(EDU) 8%(788)
人文社会科学 2%(335)
将来および競争力への投資 1%(888)
環境・生物資源(ERB) 8%(488)

[DW編集局+JSTパリ事務所]