[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究会議協議会(RCUK)
元記事公開日:
2014/07/01
抄訳記事公開日:
2014/09/17

ロボット技術による経済成長の促進

UK sitting on robotics goldmine

本文:

工学・物理科学研究会議(EPSRC)の2014年7月1日付標記報道の概要は以下のとおり。

本日(7月1日)発表された英国のロボット工学・自律システム(RAS)成長促進戦略は、日本、韓国、米国等との競争が激化する中、この分野での英国の技術力推進を求める内容であり、英国を、2025年までに年間1.9兆~6.4兆ドル規模のインパクトを世界経済に持つと推測される(出典:マッキンゼー)RAS分野の主要国とする狙いがある。RASは英国政府が発表した八大技術(Eight Great Technologies)の1つである。

当該戦略の主な勧告は、原子炉廃炉、農業、工業、鉱業、都市機能等の英国の既存セクターでロボット工学技術の実験を推進すべきであり、ロボット工学の人材の才能は輸送・衛生・エネルギー・製造業で大いに活用可能である。非軍事RAS製品・技術市場は2025年までに約700億ポンドに達すると予測される。ロボット技術活用は、以下5つのルートにより投資・実施すべきである。

RAS Grand Challenges(グランド・チャレンジ): グランド・チャレンジでは、RASの宣伝用モデルの製作をチームに競わせるが、バーティカル市場での実際の競争に焦点が向けられるべきである。右市場においては、協力が促進され、可能性が追求され、また、大衆も楽しませることになる。RAS Assets(後述)を利用することで、競争が規制開発をも推進すると期待される。

RAS Clusters(クラスター): ロボット工学の新興地域(エジンバラ、ブリストル)に投資することで、産業界・学界を跨いだイノベーションを推進し、RASサプライ・チェーンのネットワークを支援するクラスターを構築する。

RAS Skills(スキル): ロボット工学への関心は高いため、知識(主導型)経済にとって不可欠な科学、技術、工学、数学(STEM)分野に最も優秀な人材を集めることが可能である。初中等教育、見習い生、大卒者、一般国民の参加を得て、スキル開発を推進する活動が開発されるべきである。

RAS Assets(アセット): 有形資産(施設)開発を進めることにより、英国をRAS分野の国際的研究、イノベーション、市場開拓を行うために選ばれる国にする。例えば、廃棄物処理場・廃炉施設をロボット技術の試験場として活用することが挙げられる。他方、柔軟な法規制環境、広く浸透したソフトウェア技術、新アイデアの積極的採用といった無形資産も提供される。

RAS Coordination(コーディネーション): 英国にひとつにまとまったイノベーション・ラインを形成し、異なる産業セクター間に共通した競争力あるアプローチを構築するために、研究、ビジネス、規制への投資を調節する。

なお、当該戦略では、王立工学アカデミーの企業(支援)拠点といった企業に対するサポート・システムの重要性や、科学的研究(成果)を有望なビジネスへとつなげる技術移転を推進する必要性についても言及されている。戦略における勧告の実施に向け、産官学のトップ関係者が参加し、独立した諮問機能を果たすRAS Leadership Councilの設立も要請された。

[DW編集局]