[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立宇宙研究センター(CNES)
元記事公開日:
2014/09/01
抄訳記事公開日:
2014/09/26

国立科学研究センター(CNRS)の2013年活動実績を示すデータおよび指標

Données chiffrées et indicateurs

本文:

国立科学研究センター(CNRS)が2014年9月に公表した標記資料から、CNRSの2013年予算の執行状況および2013年の科学的生産の実績を示す指標等を抜粋要約して以下に記す。

[2013年予算の執行状況]

・収入
2013年の収入総額は34億2349万ユーロで、そのうち国の補助金が25億9418万ユーロで全体の75.8%を占める。自己収入は8億2931万ユーロで、そのうちの4億3118万ユーロが受託研究(「将来への投資」を除く)で主要な(52.0%)資金源となっている。
受託研究を委託元別に見ると、国立研究機構(ANR)が1億8110万ユーロ(42.0%)、その他の公的施設・企業が8871万ユーロ(20.6%)、EUが8000万ユーロ(18.6%)、国が1560万ユーロ(3.6%)、自治体が562万ユーロ(1.3%)、民間セクターが6016万ユーロ(14.0%)である。

・支出
2013年の支出総額は33億1940万ユーロで、内訳は各研究ユニットにおいて実施される研究活動が28億5443万ユーロ(86.0%)、共通の活動が2億662万ユーロ(6.2%)、支援機能が2億5835万ユーロ(7.8%)となっている。支出の内容で見ると人件費が72%を占める。

[2013年の科学的生産の実績]

資料では①CNRS各研究室の科学論文発等、②CNRS各研究室研究成果の有効活用と技術移転、③EUの第7次研究・技術開発枠組計画の各種専門プログラムへのCNRSの参画の3点について記述されているが、ここでは②について抜粋して概要を記す。

・技術移転
CNRSの研究室発のイノベーション技術の保護に用いられる手段の一つは特許である。2009~2013年の間にCNRSが出願した優先権を持つ特許3000件以上が公開されている。ソフトウェアは著作権で保護されるが、CNRSではプログラム保護機構に登録の手続きをとっている。ここ5年間に約270件のソフトウェアが登録されている。
CNRSの研究室で生産されるイノベーション技術は研究領域によってばらつきがある。2011~2013年の間、CNRSが出願した優先権を持つ特許の37%が化学研究院(INC)所属の研究ユニットで実施した研究の成果であり、工学・システム科学研究院(INSIS)の研究室由来の特許は約19%、生物科学研究院(INSB)の研究室由来のものが16%強、物理学研究院(INP)の研究室由来が約11%となっている。

ライセンス契約はCNRSがイノベーション技術や製法技術を産業界等の第三者に譲渡する場合にしばしば用いる利用協定である。ここ10年来、年に約60件の利用ライセンス契約が締結されている。対象としている期間全体で、利用ライセンスの41.4%が特許に関するもので、24.5%が特許およびノウハウに関するライセンス、11.4%がノウハウの移転に関するもの、22.7%がソフトウェアのライセンスである。

・CNRSが関与する起業
CNRSが関与するイノベーション新興企業は、その創設の際の各研究室との提携関係の性格によって大きく2つのカテゴリーに分けられる。「CNRS由来」企業は、CNRSの知的財産として保護された成果(特許、ソフトウェア、ノウハウ)を使用または活用する。またCNRS職員が直接参画することもある。したがってこれら企業は技術移転協定(特許ライセンスやノウハウ供与)によりCNRSと関係する。「CNRSによる後方支援」企業は、その業務開始に当たりCNRSの各研究室の能力、専門知識、有形の手段に依存する。CNRSとの関係は、研究協力契約や便宜供与契約などによる。

1999年以降、CNRSが関与する775件のイノベーション新興企業が創設されたが、「CNRS由来」企業(417件)が「CNRSによる後方支援」企業(371件)を僅かに上回っている。1999年以降設立された企業の80%以上が2013年現在業務を継続している。

[DW編集局+JSTパリ事務所]