[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)
元記事公開日:
2014/08/18
抄訳記事公開日:
2014/10/01

世界的に著名なスコットランドのライフサイエンス・セクターと英国との関係

Minister for Life Sciences says world-class Scottish Life Science Sector would be at risk in break-up of the UK

本文:

ビジネス・イノベーション・技能省(BIS)の2014年8月18日付標記報道発表の概要は以下のとおり。

スコットランドは英国の総合的研究枠組の恩恵を受けてきた。2013年には英国研究会議の助成金2億5,700万ポンドを確保しており、その他にも医学研究財団の年間約11億ドルの研究投資の内13%がスコットランドに充てられている。現行の制度では英国全土の研究者間でアイデアや協働作業の自由な流れがあり、それがイノベーションや経済成長に不可欠なスコットランドの研究基盤振興を支えている。

ジョージ・フリーマン(George Freeman)BIS/ライフサイエンス担当大臣は、ロスリン研究所のほか、スコットランド政府が業界刺激策として設けた5つのライフサイエンス企業区域の1つ「エジンバラ・バイオクォーター」を訪問する予定である。過去2年間に「エジンバラ・バイオクォーター」は8つの新規事業をスピンアウトしており、その中には子供や社会的弱者向けの世界初の視野解析装置を開発した2012年4月創設の「i2eye Diagnostics」社も含まれる。また「Edinburgh Molecular Imaging (EMI)」社はエジンバラ大学からスピンアウトした「エジンバラ・バイオクォーター」の企業であるが、主要なライフサイエンス・ベンチャーキャピタル・ファンドから400万ポンドの投資を引き出している。

フリーマン・ライフサイエンス担当大臣は次のように述べている。

・スコットランドの科学・イノベーションは英国の世界クラスの研究基盤に重要な貢献をし、全体としてビジネスや社会に利益をもたらしている。
・しかし、もしスコットランドが連合王国を離脱するとしたら、現在の研究枠組は持続できなくなる。
・連合王国の一部に留まることが、スコットランドの世界クラスの研究基盤を補完・強化することになるのは、あらゆる証拠から明らかである。スコットランドの研究機関や研究者は、英国全土の税基盤に支えられた十分なファンディングの恩恵を受けており、世界クラスの施設や技能を有する全国的なネットワークの利用が可能である。
・スコットランドを含む英国全土の研究者は、英国の国際的影響力、ネットワーク、国内向け投資を呼び込む能力の恩恵を受けている。研究が英国の複数個所で行われる場合、場所が異なれば規制や知的財産の制度運用も異なるので、コストや不確実性が増大する。

「エジンバラ・バイオクォーター」は医学研究会議(MRC)の再生医療センター(2011年11月に開設された5,900万ポンドの施設)の本拠地である。200名以上の科学者を擁し、幹細胞の先進製造設備を備える。ロスリン研究所は動物の医療・保護に関する研究を実施しており、昨年バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)から870万ポンドの戦略的資金を受けた。同研究所はクローン羊の「Dolly」で世界的に著名である。

[DW編集局]