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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国宇宙庁
- 元記事公開日:
- 2014/08/22
- 抄訳記事公開日:
- 2014/10/02
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公開意見聴取: 国家戦略「宇宙環境と有人宇宙飛行」
- 本文:
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英国宇宙局の2014年8月22日付標記発表によると、同局が作成した「宇宙環境と有人宇宙飛行」国家戦略案の内容について2014年10月17日まで公開意見聴取が行われる。発表の概要は以下のとおり。
2012年11月の欧州宇宙機関(ESA)閣僚級会議において、英国は有人宇宙飛行に初めて正式に参画することになり、国際宇宙ステーション(ISS)利用プログラム及びそれを補完する欧州生命・物理科学(ELIPS)プログラムに対する資金支援を約束した。ELIPSには4年間で1,600万ユーロの支援を、ISSには一回限りの分担金として2,000万ユーロの支援を行うこととされた。
政府の上記決定は、英国宇宙局が関係機関と協議して行った詳細な投資対効果の検討に基づくものである。今回公開意見聴取にかける戦略案では、これら当初の分析結果の延長上で長期目標を設定し、2012年11月以来明らかになってきた国力を有する領域を確認し、有人宇宙飛行や宇宙環境から得られる英国の利益を最大にする包括的戦略を提示している。
ここでいう「宇宙環境」は、微小重力、放射線、極高真空などの宇宙環境条件(1つ以上)を活用して宇宙で実施されるか、或いは、微小重力をシミュレートする落下塔のような宇宙環境条件を再現する地上施設で実施される研究のすべてを指す。「有人宇宙飛行」とは、宇宙での人の滞在に関するすべてを表す。
本戦略案では、宇宙分野での取組に関する国家ビジョンを掲げる。また、このビジョンを実現するための目標を定め、これら目標を達成するための様々な道筋を設定し、同戦略により利益を得る英国の主要な研究領域を浮き彫りにする。本戦略案におけるトップレベルの目標には次のものがある。
・英国の優先課題に合致する卓越した科学技術を実現すること
・有人宇宙飛行に対する一般公衆の強い関心や熱意を教育に活用すること
・これらプラットフォームの学際的性格を活用して新たな協力関係を促進すること
・英国産業界が受託契約を獲得し、英国に新たな投資を呼び込むこと
・将来可能な商業有人宇宙飛行に向けた準備支援を行うこと各研究会議が定めた既存の研究戦略や重点課題を参考にして策定した重点研究領域は次のとおり。
・宇宙生物学・宇宙化学
・生命科学・生物医科学
・基礎物理学
・材料研究本戦略の最終版は、寄せられた意見による検討を経て、2014年11月に政府によって発表される。
[DW編集局]