[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2014/09/03
抄訳記事公開日:
2014/11/10

欧州の研究分野における男女平等の進展は道半ば

Progress on gender equality in public research slow and uneven across Europe

本文:

欧州委員会は、2014年9月3日標題のプレスリリース記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州委員会は、本日、公的研究における男女平等に関するレポートを発表し、欧州31カ国の様々な政策を紹介した。意思決定機関における男女数均等(ジェンダー・バランス)に関して、18カ国で顕著な進展が見られた。しかしながら、全体的には、遅く部分的なものであった。

本レポートの結果の一部は以下の通りである:
・調査した国の約半数が、女性研究者のキャリアを支援する取り組みを行っている。
・過去5年間で、意思決定の立場における女性の割り当て制度または目標数の導入を実施している国の数は、2008年の8カ国から、2013年の18カ国へと格段に増加した。
・しかしながら、過去5年間で、男女平等の施策を実施するようになった研究機関は、ごくわずかの増加で、12カ国から15カ国である。なお、いくつかの国では、研究機関における男女平等計画の策定と実施を法規定によって求めるまたは奨励するという前向きな動きも見られた。
・更に、研究分野におけるジェンダー分析が、国家研究プログラムに明確に含まれているのは、今のところ6カ国においてのみである。
・社会科学・人文科学以外の大学院カリキュラムでジェンダー問題を取り扱っているのは、4カ国のみである。

研究イノベーション科学担当欧州委員のMáire Geoghegan-Quinn氏は、次のようにコメントしている:「私たちは、全欧州での男女平等に向けての実質的な変化を起こすための政策を結集させる必要があります。それが意味するのは、平等な機会、平等な処遇、そして、研究課題としてジェンダーにもっと注目することです。」

本レポートは、ジェンダー・研究・イノベーションに関する欧州委員会の諮問機関である”ヘルシンキ・グループ”のメンバーにより実施された調査を基づいている。本調査は、EU加盟国およびEU研究プログラムに協力する欧州国家を対象にしている。欧州研究圏(European Research Area :ERA)における男女平等は、次の3つの目標を目指している:科学者としてのキャリアと意思決定の両方における男女の平等な参画、研究内容・プログラムにおけるジェンダー分析の包含。

本レポートの発表により、来るERA成果報告書2014の作成に有益な情報が提供された。

<参考>
「男女平等の推進」は、ERAの成果として欧州委員会が設定した重要な優先課題の一つである。
●ERA:
http://ec.europa.eu/research/era/gender-equality-and-gender-mainstreaming_en.htm
●レポート本文:
http://ec.europa.eu/research/pdf/199627_2014%202971_rtd_report.pdf#view=fit&pagemode=none

[DW編集局]