[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2014/10/06
抄訳記事公開日:
2014/11/17

欧州委員会、レポート「欧州の未来は科学」を発表

The Future of Europe is Science

本文:

欧州委員会は、2014年10月6日に標題のプレスリリースを発表した。以下にその概要を紹介する。
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欧州委員会のBarroso委員長は、本日、「欧州の未来は科学」(The Future of Europe is Science)と題するトップ会談に参加するため、ポルトガル・リスボンにいる。本会談には、科学・産業・社会分野から400名近くが集い、過去10年にわたる欧州の科学分野における成果を振り返る。また、世界的に著名な科学者・実業家・政治家たちにより、科学・技術・イノベーションが社会福祉に果たす役割や、それらが欧州の成長・雇用・ビジネス展開を生み出す潜在力に関する議論も行われる予定だ。

本会談に先駆けて、Barroso委員長は以下のようにコメントしている:
「欧州は、現在多くの課題に直面しており、これらの問題の解決策の多くは、科学や新技術にかかっています。科学は欧州の未来にとって実に重要です。」

●レポート「欧州の未来は科学」について:

欧州委員会は、本会談で委員長の科学技術諮問委員会(STAC)が作成したレポート「欧州の未来は科学」を発表する。本レポートは、2030年を見据えて、科学技術によって欧州にもたらされる主要な機会を提示する。また、本レポートは新しい欧州指標(Eurobarometer)調査により明らかとなった市民の優先事項に沿って構成されており、当調査報告書(原題:Special Eurobarometer 419 on “Public perceptions of Science, Research and Innovation”)も本日発表される。本調査によれば、今後15年にわたる科学・技術・イノベーションにおける欧州市民にとっての最優先事項は、保健医療サービス及び雇用創出である。

保健医療サービスに関して、本レポートではオーダーメイド医療・能力向上技術・脳画像診断・マイクロバイオーム(人体内にすむ微生物)の潜在的機会に焦点が当てられている。これらの技術によって、私たちは将来的に更に効果的に病気を理解・克服することができるようになるかもしれない。

また、雇用・情報通信技術(ICT)の章では、(主にインターネット上で)増え続ける膨大な量の情報処理を課題として取り上げている。本レポートでは、EUと加盟国は老若男女に「学び方を学ぶ」ためのトレーニングを実施することに焦点を当てるべきであり、そうすることで人々は職業人生に渡って知識・スキル・批判的思考法を獲得することができるようになると、提案されている。

本レポートの最後では、知識主導の欧州社会の姿とその中で共有知識を活用しながら欧州の未来に関する選択をする市民の様子が示されている。本レポートは、欧州委員会の科学分野での未来を展望する取り組みを評価し、そうした取り組みは政策展開に結びつけられるべきであると提言している。

<関連リンク>
STAC(Science & Technology Advisory Council)ウェブサイト:
http://ec.europa.eu/commission_2010-2014/president/advisory-council/index_en.htm

[DW編集局]