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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 中国科学報
- 元記事公開日:
- 2014/09/29
- 抄訳記事公開日:
- 2014/12/01
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中国人科学者、エイズウイルス抑制の新たな手段を発見
- 本文:
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2014年09月29日付の「中国科学報」ネット版は、中国人科学者がエイズウイルス抑制の新たな手段を発見したと報じた。本記事ではその概要をまとめる。
9月28日、中国農業科学院が明らかにしたところによると、同院ハルビン獣医研究所の鄭永輝研究員が率いる基礎免疫イノベーションチームはこのほど、エイズウイルスのエンベロープタンパク質合成を抑制する新たな手段を発見したとのこと。同研究は、抗HIVワクチンと新薬の開発に新しいアイデアをもたらした。
エイズ、エボラ出血熱、デング熱等感染症のウイルスをはじめ、ほとんどの動物ウイルスの表面には、エンベロープタンパク質と呼ばれる糖タンパク質が突出している。ウイルスの表面にあるタンパク質は、宿主細胞の表面に露出している分子を標的にして吸着することで宿主細胞を感染する。
鄭永輝の研究チームは、エイズウイルスに感染されないヒトT細胞を発見し、当該細胞においてトランスロケータータンパク質(TSPO)が高いレベルで発見することが明らかにされた。同研究チームはTALENという遺伝子改変技術を通じ、TSPOタンパク質の機能を深く研究した。TSPOはエンベロープタンパク質を分解でき、TSPOを減少させれば、エンベロープタンパク質の合成が増加し、逆にTSPOを増加させれば、エンベロープタンパク質の合成を抑制できる。鄭永輝研究員によると、同研究成果は新たな抗ウイルスメカニズムを提示し、ほかのエンベロープウイルスの研究にも役立つという。
[JST北京事務所]