[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)
元記事公開日:
2014/10/28
抄訳記事公開日:
2014/12/15

BBSRCが新遺伝子技術に関する公式見解を発表

Position statement on new crop breeding tools published by UK’s major plant science funder

本文:

バイオテクノロジー・生物科学研究会議(BBSRC)の2014年10月28日付標記発表記事によると、植物科学分野における英国の主要ファンディング機関であるBBSRCは、作物改良を目的とした新規・新興技術に関する公式見解を発表した。植物に高精度の遺伝子変更を加えることになるこれら新技術は現在、各遺伝子の機能の把握に役立てるための手段として研究所で用いられている。商業的に応用されれば、これらの方法で生産された新規改良作物変種が今後数年で世界中で入手可能となり得るだろう。

近年開発されたこれらの新遺伝子技術は急速に進歩している。BBSRCの公式見解では現状展望を詳述し、この技術がすでに広く研究に活用されていること、新規作物の規制プロセスがこれら新技術に対応する必要があることを認めている。

本公式見解が対象とするのは一般に「ゲノム編集」と呼ばれる技術で、特定位置でのDNAの追加、削除、置換など遺伝子情報に対する精確に標的を定めた変更を可能とするものである。またDNA配列に変更がない状態で遺伝子のスウィッチをオン・オフすることのできる技術も対象になる。

今回の公式見解では、新規作物品種の生産に使用される技術に焦点を置いた現行のEU規制制度の限界に特に注目している。これは、生産方法よりも薬剤中の活性分子に基づいてその利益とリスクが評価される新薬の承認プロセスとは対照的である。遺伝子による作物改良法はすべて(従来の育種法も含む)遺伝子変化によるものである。遺伝子変化を取り入れたさらに多くの方法が使えるようになると、作物の新種生産に用いる方法の特定はより難易度の高いものになる。多様な技術を用いて全く同一のDNA変更が可能になるからである。これにより、新規作物の規制方法に関して重要な問題が生じることになる。公式見解では、生産に用いられる技術よりも導入される遺伝子特性に基づいた規制の利点が強調されている。

[DW編集局]