[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
報道センター
元記事公開日:
2014/11/17
抄訳記事公開日:
2014/12/16

新しい欧州国民経済体系(ESA2010)による研究開発統計への影響

How the revision of the European System of Accounts (ESA 2010) impacts research and development statistics

本文:

欧州委員会は、2014年11月17日に標題の記事を発表した。以下にその概要を紹介する。
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2014年9月、EUの国別経済計算データを算出するための統一手法である”欧州国民経済計算体系”(European System of Accounts :以下、ESA)が改訂された。ESA2010は、これまで採用されていたESA1995に代わるもので、経済環境の実質的変化を反映している。今回の新体系の採用は、欧州だけでなく世界規模のものだ。以下に、ESA2010の採用によってもたらされる主な変更点と研究開発(R&D)統計への影響について要点を述べる。

1.ESA1995からESA2010の主要な変更点:
・R&D支出は投資として計上され、GDPに追加される。このため、2010年のEU全体のGDPは1.9%増加する。
・兵器システムに対する支出は投資として計上される、このため、2010年のEU全体のGDPは0.2%増加する。

2.ESA2010によりEUのGDPは上昇する:
・ESA2010を採用することにより、EU全体のGDPは2.3%増加し、そのうち1.9%はR&D支出が寄与している。

3.加盟国は、国別R&D目標を達成するために絶対的に支出を増やす必要がある:
・R&D強度指標(R&D投資額/GDP):ESA2010の採用によりほとんどの加盟国のGDPが増加するため、各国は国別R&D目標を達成するために、絶対的支出額を増やす必要がある。R&Dに支出することでGDPは増加するため、R&D支出の追加的なインセンティブが生まれる。
・EU2020ヘッドライン指標(EUのGDPの3%をR&Dに投資するという目標):今回の改訂によりGDPに対するR&D投資の影響度が低下するため、EU全体で3%の目標を達成することがより難しくなった。このため、EU28カ国は、2020年までの3%目標を達成するためには、年間約80億ユーロを追加的に支出する必要がある。2012年におけるEU28カ国のGDPにおけるR&D投資の割合は、既存体系によれば2.08%だが、新体系では2.01%と減少する。

[DW編集局]