2014年12月4日付の「中国科学報」ネット版は、「中国は沿岸原子力発電のプロジェクトを始動し、最高の安全基準を採用する」と報じた。本記事ではその概要をまとめる。

中国国家発展と改革委員会は、12月4日に北京で記者会見を開いた。李朴民事務局長は、「中国は国際的に最高の安全基準を採用して、安全の確保を前提として沿海原子力発電のプロジェクトを始動する予定。これもクリーンエネルギーの重大なプロジェクトの一つである」と語った。

国家エネルギー局の劉宝華原発局長によると、原子力発電を開発するのは以下の二つの理由を挙げている。

一、エネルギーの構成を合理化するためである。安定、グリーン、高エネルギー密度のエネルギーとして、原子力発電を開発することが電力の供給と国家長期電力の安全に重要な役割を果たしている。目下、中国はすでに原発大国になったが、エネルギー消費に対して原子力発電の割合が世界の平均水準に比べ非常に低い。原子力発電の世界平均である約15%に対して、中国はまだ2%に達していない。
二、国内のハイエンド設備製造業の発展を促進するためである。劉宝華原発局長は、「原子力発電の開発が中国のハイエンド設備製造業の水準を向上させ、国際競争における優位性を構築することができる」と語った。

公式データによると、現在、中国の運行中の原子力発電ユニットは21台、発電能力は1902万キロワットで、今後建設する予定の原子力発電ユニットは世界一位の27基で、総発電能力は2953万キロワットである。

原子力発電の安全性への質問に対して、劉宝華原発局長は、「長年、中国原子力発電において、レベル１以上の原発事故を起こしたことがない。建設する中のユニットは順調に進んでいるし、工事の品質も安定している。一部の重要な設備はまだ標準に達していないため、解決策に力を入れており、大体においてうまくいっている。中国原子力発電の全体の開発は健全で安全である」と語った。

[JST北京事務所]