[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2015/01/15
抄訳記事公開日:
2015/01/28

人間と技術のインターアクションに関する若手研究者グループの助成プログラム

Besseres Leben mit moderner Technik

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は人間と技術のインターアクションに関する若手研究者グループを助成することになり、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

人間と技術の関係は急速に変化している。人間はインターネットでつながったネットワークの中で働くようになり、運転支援システムやウェアラブル端末を利用するようになってきた。今後、いかにして日常の生活で技術的な支援システムを一層多く利用できるのか、そしてより長寿で、健康な生活を実現できるのか、こうしたテーマを8つの学際的な研究グループが研究することになる。これはBMBFがスタートさせた若手研究者向け競争的ファンディング「分野横断的能力発展」の一環であり、才能に恵まれたポスドクたちが独自に大学内に研究グループを構築することを支援するものである。

ヴァンカBMBF大臣は、「技術は人間にとって役立つものでなければならず、その反対ではない」と語り、また、さまざまな支援システムが既に以前から日常的に利用されているとはいえ、将来的には技術システムの受容度やユーザビリティを一層前進させなければならない、とした。更に「公募プログラムに採択された研究者は領域横断的な研究活動によって、あらゆる世代の人間の社会参加を促し、生活の質を向上させることが期待されている。優れた若手研究者や未来の指針となる科学システムは、今後の人口構造の変化に対応するための最善の手段だからである」と述べた。

研究においては、特に人口高齢化の背景にあって、いかに技術を人間のために利用するかが最重要となる。研究者が取り組むのは、インタラクティブで、ユーザーに優しいというコンセプトに基づき、健康のために行う運動を支援するデジタル・フィットネス・コーチや高齢者の日常生活と労働を支援する技術等である。例えばプロジェクトFANSでは、スマート・センサーによって高齢歩行者の道路上での移動を補助するような歩行支援システムを研究する。道路横断以前に自動車の接近あるいは障害物等を知らせる技術である。

他にも、研究チームは倫理的、法的、社会経済的な問題についても考慮しなければならない。5年の助成期間満了後は、あらゆる世代の人間によって受け入れられるイノベーションが生まれることになろう。

BMBFの助成プログラム「高齢化における人間・技術のインターアクション」は、国の研究アジェンダである「未来ある高齢化社会」と共に連邦政府の人口戦略における重要なポイントである。BMBFは8つの若手研究者グループの助成に総額約2,200億ユーロを投資する。全ての採択されたプロジェクトは、「新ハイテク戦略」の目標に結びつくものである。

[DW編集局]