[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2014/12/10
抄訳記事公開日:
2015/01/28

有望な取り組み「致命的な化学物質を無害な土壌に変える」

Pay Dirt: Turning Deadly Chemical Agents Into Harmless Soil

本文:

2014年12月10日付の国防高等研究計画局(DARPA)発表によれば、大量の化学兵器は軍事関係者にも国際社会にも大きな問題であり、焼却処理または加水分解など現行の除去法では、将来処理を必要とする有毒廃棄物が生じる。また大量の貯蔵物を貯蔵場所から処分場所へ輸送するのに必要なロジスティクスは、危険を伴いコストがかかる。さらに様々な種類の化学物質があって、それらを安全にする方法も様々で、各物質はそれぞれ特有の中和処理が必要になる。これらの課題に対処するため、DARPAはこのほど「化学兵器の非依存・簡潔型の非軍事化処理(Agnostic Compact Demilitarization of Chemical Agents (ACDC))」プログラムを発表し、BAA(Broad Agency Announcemnt)要請を行った。

本プログラムでは、化学兵器を無害な土壌など安全な有機化合物に変換するプロトタイプ可搬型処分システムに必要な技術開発を狙う。この場合、処理で使用する消耗品の量を最低限にして、有害な廃棄物は発生させない。このシステムでは、貯蔵化学物質を現場で安全に破壊し、輸送は必要としないようにする。

副産物として酸性雨が生じる現行の焼却法や大量の水を必要とする加水分解法を超えて、ACDCでは世界のどこでも化学兵器貯蔵現場近くの土着の材料を化学兵器を無毒化する清掃材料として使用する新たな方法を探究する。土壌は世界中多くの場所に豊富にあり、新しい無毒化処理の主たる消費材料と目されている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]