[本文]
-
- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 英国保健省
- 元記事公開日:
- 2015/01/22
- 抄訳記事公開日:
- 2015/03/09
-
革新的ながん研究プロジェクト、3000万ポンドの投資を確保
Innovative cancer research project secures £30 million investment
- 本文:
-
英国保健省の2015年1月22日標記ニュース記事では、がん治療研究ファンディングによるT細胞治療の臨床試験支援について報じている。概要は以下のとおり。
T細胞は病原体に感染した細胞を殺す免疫系の一部を成す。この細胞は、ヒトの血液サンプルから採取して、研究室で培養し、がん細胞を認識して殺すように「プログラムし直す」ことができる。これはキメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる人工タンパク質に特定の遺伝子を導入することで達成できる。米国における臨床試験では、CAR T細胞が、通常の抗がん治療では反応しない白血病やリンパ腫の患者の治療にかなり有効である可能性が示されている。
本プロジェクトは、政府の国立衛生研究所(NIHR)が支援し、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ(UCL)およびロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ病院・国民保健サービス(NHS)ファンデーショントラスト(UCLH)が主導する。
医療投資会社のSyncona社がUCLのスピンアウト企業「Autolus」社に標記資金を出資した。この企業は血液系腫瘍や固形腫瘍に対する改変T細胞による治療法の開発および実用化を目的として設立された。Autolus社は今後、臨床試験に持ち込む目標を持ってUCLと協力して研究を進める。
上記投資は、政府のNIHRの生物医学研究センターファンディング計画の下での、UCLおよびUCLHの試験研究に対する1億ポンド強の投資に続くものである。患者自身の免疫系が原発性がんと闘えるようにし、続発性がんとの闘いでも身体の負担を和らげられるような、新たな治療法を見据えた研究も考慮されている。
[DW編集局]